寝る前はいつもジャズ系の音楽をかけている。お掃除する時は旧知のヴィブラフォンの出口辰治さんのカルテットによる「IN A RICH MOOD」をかけるのが決まり。♪トラちゃんの子守歌♪が流れると気分が高揚して退屈な掃除もはかどる気がするのだ。 今回の引っ越しでは4日間にわたる箱詰め作業で、早めに100枚近いCDを荷物にしてしまった。4月にドンキで買ったCDプレーヤーは宇都宮の最高級居酒屋「空明」の常連のおば様に搬出前日にあげる約束になっていた。で、何を引っ越し作業のバックグラウンド・ミュージックにしていたかというと、直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」に登場するピアノ曲19曲を収めた優れもののCDと栃木の美女からいただいた「ラ・ラ・ランド」のサウンドトラックCDを交互にかけていたのである。 父の日記念に長女からもらった落語の三遊亭円生のCDも試しにかけたが、これは噺に聞きほれてしまい作業の手が止まってしまうのでやめた。「居残り佐平次」なんぞは知らないうちに円生の口調をまねていたりしたのだ。 「蜜蜂と遠雷音楽集」は半月ほど前、国分寺の紀伊国屋書店で発見した。生来のクラシック音痴だが、時に聞き覚えのあるショパンとかサティの曲が流れるのがうれしい。黒色のDISC1には風間塵らが予選で弾いた曲13曲が、白色のDISC2には本線で弾いた大作6曲が収められている。”蜜蜂”の本は黒地に白い文字のカバーデザインが印象的なのだが、黒と白はピアノの黒鍵と白鍵のイメージなんだと思う。 「ラ・ラ・ランド」は2月にアカデミー賞の監督賞、主演女優賞などを取る2日前の封切り日に立川で観て、すごくいいとつぶやいたのを”つぶやきフリーク”の美女が覚えていたものらしい。♪CITY OF STARS♪の甘やかな主旋律はいつ聴いても染みてくる。この映画、そこらじゅうに「いい、いい」とふれて回ったのだった。今も流しています。 CDプレーヤーは娘たちの母親も欲しいと声を上げていた。俺らの世代で音楽が聴けないなんて、こんな不幸はない。宮仕え終了記念にそんな高いものでもなし、CDプレーヤーを母親に近々贈呈する予定である。
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