隠居志願のつぶやき2017

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...... 2023年05月25日 の日記 ......
■ 「流浪の月」   [ NO. 2023052501-1 ]
 今年の「本屋大賞」は凪良ゆうの「汝、星のごとく」が取った。昨年暮れこの本が10点の候補作品の中に入っていることを知り、2月に読んでなかなかと思ったが、凪良は20年に「流浪の月」で本屋大賞を受賞したばかりなので、今回の受賞はないかなとみていたが、全国の書店員たちの判断は「いいものはいい」。この賞を2回取ったのは、05年の「夜のピクニック」と17年の「蜜蜂と遠雷」で受賞した恩田陸と凪良の2人だけなのだ。
 某団体に頼まれて10年ほど前からやっている読書感想文の添削のアルバイトで、4月の課題図書に「流浪の月」を指定し、きょうの夜、年に2回の読書講座をやることになっているので、きのうは講座で話す内容のメモを3時間ほどかけて作った。「本屋大賞の受賞作にはハズレがない」ということをメーンに話すことにし、過去の大賞受賞作のリストを作って少々驚いた。
 2004年にスタートした本屋大賞。「全国の書店員が選んだいちばん!売りたい本」をキャッチコピーに、芥川賞や直木賞などの他の文学賞とは違って作家や編集者の思惑がからまない賞で、昨今ではこの賞に選ばれると売れ行きが断然違うという。
 この20年間の大賞は04年「博士の愛した数式」(小川洋子)05年「夜のピクニック」06年「東京タワー」(リリー・フランキー)07年「一瞬の風になれ」(佐藤多佳子)08年「ゴールデンスランバー」(井坂幸太郎)09年「告白」(湊かなえ)10年「天地明察」(冲方丁)11年「謎解きはディナーのあとで」(東川篤哉)12年「舟を編む」(三浦しをん)13年「海賊と呼ばれた男」(百田尚樹)14年「村上海賊の娘」(和田竜)15年「鹿の王」(上橋菜穂子)16年「羊と鋼の森」(宮下奈都)17年「蜜蜂と遠雷」18年「かがみの孤城」(辻村深月)19年「そして、バトンは渡された」(瀬尾まい子)20年「流浪の月」21年「52ヘルツのクジラたち」(町田そのこ)22年「同志少女よ、敵を撃て」(逢坂冬馬)。
 驚いたのは俺は「謎解きは……」と「鹿の王」を除いて全部読んでおり、07年から年末に作っている俺の「本のベストテン」にも、昨年の「同志少女よ……」を1位に選んだように、大半を上位に選出していたことだ。
 もっと驚いたのは「流浪の月」は20年のベストテンの3位にもし、昨年5月に松坂桃李・広瀬すず主演の映画も見たというのに、そのストーリーをほとんど忘れていたことだ。感想文をみるために再読して気付いた。俺もけっこう老人力がついたと感心したのである。

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