千代田生命の社長を務めた神崎安太郎氏に「もてる十条件」というのがあり、初対面では無心に接する人、明るくはつらつ快活で感じのよい人などの10項目の中に、「もらう一方でなく与えることも知っている人」というのがあった。takeだけでなくgiveもというのはその通りだなぁと思い、割とモノをあげてるかな、俺。もう死ぬばっかだから持っていてもしょうがないのだ。 明日でクビになる。それで連日の送別会でいろいろなモノをいただいている。花束はもちろん冷凍おやきに始まり、大谷石をくり貫いて作ったランプ、名前入りのゴルフボール1ダース、美女3人の寄せ書きが書かれた忍者用巻物、日光彫の靴べら、ワイン、名人作の湯呑み、高そうな靴下などである。食べ物は排泄されるだけだから、こういう品々はうれしいね。 もらうだけではいかん。毎朝モーニングセットでお世話になっているカフェのマスターが最近お店のお客さんの美女と入籍し、お祝いがまだだったことに気づき、昨夜はプレゼントの箱詰めに取り組んだ。こっちにはコーヒーカップを5つ持ってきた。その中から二人にふさわしいカップをあげようと思ったのだ。引っ越し荷物を少しでも減らしたいのと、新品を買うほどの深い付き合いではないことから「使い古しで悪いけど、気持ちだから」ということにした。 前日のうちに洗剤できれいに洗っておいたのは、知人の陶芸家が自宅の窯で制作したネコの模様が入った大振りのカップとすらりとした奥方の体型を思わせる真っ白なカップである。このカップ、KEYUCA製でカップが斜めに立っているところが面白く数年前に求めたもの。 これをコーヒーカップ・カップル・プレゼントとして差し上げることにした。品物がセコなもんで、包装にはリキをいれた。いつだったかいただいたクッションいりの白い箱に二つのコーヒーカップをいれ、白いリボンで蓋をした。その箱を青いリボンで横に縛り、さらに赤い太めの紐で縦に縛った。おフランスをイメージしたつもり。 「末永くお幸せに」のメッセージカードをポチ袋にいれ、できたばかりの隠居志願の名刺を添えて、ポチ袋をテープで白箱の上部に止めた。奥方は出勤前にカフェに寄るので一緒に箱を開けてほしかったのだが、今朝は健康診断とかで現れず、苦心の包装はマスターが一気に開けた。 マスターの苗字は北條というのだが、記者商売をしていたというのに「條」の字を間違えた。夕方直しを届けなくちゃ。ま、気は心ということで勘弁してください。 × × × × 今週の拙宅の花は「アラバンチェ」という白い大輪のバラとナデシコの改良種の濃いピンクの「楊貴妃」それにオレンジ色のスプレーバラです。 |
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