俺は生まれてこの方Gパンというのを着用したことがないので、冬用のズボン(当節はパンツとかスラックスとかいうらしい)は背広以外はロクなものがない。外出着になるのは、グレーのチェックのスラックスくらいで、あとは膝の出た茶色のコールテンとかコーデュロイの山が一部はがれてみすぼらしいと言われるグレー系しかない。 このラインアップを何とかしたいと思っていた矢先、長女から誕生祝の買い物に付き合えという申し出があった。体調を崩して休職中の彼女だが、少しずつ元気になり、そういう気も回るようになったみたい。で、ありがたく申し出を受けることにした。 冬物バーゲンは終わったが、俺の誕生日はデパートの冬物が安くなる時期で、プレゼントには、はなはだ都合がよいのだそうだ。それで昨日、立川の伊勢丹に出動した。俺はユニクロ派だが、長く着るものはやはり百貨店のモノの方が品質がいい。バーゲンの札が掛かっている棚にグレー系でいい感じのスラックスがあった。1万6000両の値札が付いていたが、バーゲンで半額である。裾直しの600両を入れても長女の予算内に納まる。試着して腹回りに問題がなかったので「これお願いします」。 裾直しには3時間ほどかかるとか。で、東京競馬場で生物学の授業をこなしてから、取りに行くことにした。ターフの女神も京都最終レースで三連複万馬券をプレゼントしてくれた。これも大変ウレピーことだった。 伊勢丹立川店に戻ると、入り口近くで地元に工場がある福永紙工という紙のクラフト専門会社の展示即売をやっていた。紙の皿とか紙を細く加工した「空気の器」とか動物の模型など面白いものばかり。ターフの女神からのプレゼントは、これらのモノにすぐ交換することにした。これから美女連との会食が続くので、そこでのお礼に使うつもり。 自分用には「デスクトップクラゲ」という空中を浮遊するクラフトを求めた。きょうバイト先に持って行き、デスクトップのパソコンに据えた。クラゲがふわふわと宙に漂う感じ。これはちょっといいかもな。伊勢丹立川店の幹部になっている旧知の美女には「紙のクラフト展示はすごくええで」と連絡したのである。 |
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