暑くなったかと思うと突然の冷え。体調管理にお気をつけあそばせ、ということで先月に読んだ本。ほんとはつい今さっき読み終わった三浦しをん著「風が強く吹いている」について語りたいところだが、止めておく。しをんさんの最高傑作は「舟を編む」だと思ってきたが。「風……」のがすごいとだけ言っておこう。箱根駅伝絡みのお話です。 遠田潤子著「レイチェルの蝶」。遠田さんは最近知った作家。あの北上次郎激賞ということで、1月に「オブリヴィオン」を初めて読み、こりゃなかなかすごいと2月に「雪の鉄樹」にうなり、4月「レイチェルの蝶」と「蓮の数式」を立て続けに読んだ。早く読めるのは面白いからだよね。 葉室麟著「雨と詩人と落花と」。これが昨年暮れ急逝した葉室さんの最終作品か。残念ながらベストとはいいがたい。俺は葉室ファンだから手にしたが……。立花隆著「知的ヒントの見つけ方」。知の巨人、立花が月刊文芸春秋に書いている巻頭随筆を集めた新書。参考にはなる。徳川夢声著「話術」。50年前の出版の復刻。今読んでも参考になる。 柏原成光著「人間吉村昭」。俺は吉村の「冷い夏、暑い夏」、「桜田門外の変」、「長英逃亡」などの作品が好きでエッセーもかなり読んでいる。取材旅行で土建業者や刑事に間違えられたというエピソードも好ましく思っている。その吉村の近くにいた編集者が哀惜をもって語る吉村の人間像だ。 有川浩著「キケン」。次女に読書感想文の課題図書にふさわしい本と紹介され読んだ。うん、これなら本に親しんでいない若者にも読めると昨夜、5月の課題図書に出題してきた。矢部万紀子著「朝ドラには働く女子の本音が詰まっている」。「あまちゃん」以来、朝ドラにはまっている俺には納得の本。「ひよっこ」の点数も高いのだ。 辻村深月著「ツナグ」。これも次女の推薦図書。なかなかこったストーリーだが、難しくはない。6月の課題図書に出題済み。黒川博行著「雨に殺せば」。黒川作品は全部読むと決めたので、30年以上前に出版された現金輸送車襲撃事件をテーマにした本が文庫化されたのを機に手にした。まったく古くなっていないのがすごい。昔から軽妙な大阪弁のやりとりが上手に書けていたのである。
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