きょうは「サラダ記念日」というのに、オウム真理教の麻原彰晃ら7人に死刑が執行され、九州、中国地方に大雨特別警報が出るなどとんでもないことになっている。こんな時になんだが、先月読んだ本。 「週刊文春『シネマチャート』全記録」。おれらの世代の映画好きにはたまらない新書。この40年の映画の採点表が載っている。永井義男著「江戸春画考」。ちょっと前なら展示できなかったような春画がオープンになってきた。長年、春画を研究してきた著者がうんちくを傾ける。なかなかに面白かった。原田マハ著「やっぱり食べにいこう」。画家をテーマに旺盛な執筆をしているマハさんはおいしいものにも目がない。新聞連載をまとめた本。 永野健二著「経営者」。長く経済記者を務めた著者(テレビ会社の社長も務めた)が、取材で出会った企業トップを論評する。非常に面白かった。点数の高い社長はヤマト運輸を大きくした小倉昌男あたり。高杉良著「最強の経営者 アサヒビールを再生させた男」。スーパードライでアサヒを立て直した樋口広太郎の物語。俺は樋口さんに何度もインタビューしているので、うなづきながら読んだのだが、単行本になった時に読んでいたのが判明して愕然。 夏野剛著「誰がテレビを殺すのか」。それはSNSなのだが、新聞はもう殺されてしまったという風に読み取れる。iモードを開発した夏野氏にはデジタルセクションにいた時、お目にかかったことがあるが、とんでもない切れ者だった。その人にそういわれると頭を抱えるね。原田マハ著「モダン」。美術館に関する小品集。辻村深月著「かがみの孤城」。本年度の本屋大賞受賞作。ちょっとSFチック。俺、こういう世界はちと苦手。それなりに面白かったが。 司馬遼太郎著「翔ぶが如く 一、二、三」。通勤の帰りを中心に読み継いでいるが、明治初期の西郷隆盛、大久保利通らを巡る司馬さんの筆は縦横に跳び面白い。俺、実は明治の偉人の中では大久保贔屓なのだ。柳瀬尚紀著「ことばと遊び言葉を学ぶ」。言葉の天才、柳瀬さんが島根や福岡の中学などで行った授業を採録した。かつて書評に取り上げた「日本語ほど面白いものはない」の続編。こんな授業だったらいつだって受けたくなるのではないか。 KKベストセラーズ刊「葉室麟 洛中洛外をゆく」。昨年末66歳で亡くなった葉室氏はここ3年ほど京都に住み、京都を舞台にした画家などをテーマにした小説を量産していた。その海北友松、小堀遠州らの舞台になった寺院、庭園を歩く。写真も豊富。急逝が惜しまれる。 |
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