先週バイト先の自席に着いたら、机の上にキユーピーのゴマドレッシングの瓶とパスタ用のあえものの袋が置いてあった。週5日出ている同役の絶世の美女に「これは?」と尋ねると「この前校閲したキユーピーさんの新商品。担当の女性がお中元にたくさんもらったとかで、そのお裾分け」とのことである。校閲のバイトに来て1年余。こういう役得は初めてである。 30年ほど前、農林水産省を担当していたころ、食品業界の新商品の発表が農水の記者クラブで行われていたため、即席ラーメンとかふりかけとか、ビールなどの新商品の試供品をかなりいただいた。 即席ラーメンなどいくらのモノではないが、少しまとまったところで紙袋に入れて自宅に持って帰ると、家計の足しになるうえ、新商品が食べられるのがうれしいとみえて、当時はウチにいた山の神に大いに喜ばれた。 価格にすれば1個500両に達しないモノで、食品企業にしてみれば記者の言の葉に上ることが目的だったように思う。日銀の記者クラブ(金融記者クラブ)にも2度ほどいたが、間違っても日銀券をいただいたことはなかったなぁ。 そうだ、農水省には競馬監督課という部署があり、中央競馬を所管していた。「いい情報が入るんだろ」という外野の声を聞いたが、ダービー前の事務次官懇談で「今年は……」という話題は出ても、枢要機密情報を教わるってなことは全くなかった。 俺は化粧品業界を担当したことはないのだが、化学業界担当の記者クラブでは、資生堂やカネボウの化粧品の試供品をいただくことがあり、カミサンに喜ばれることが多かったと聞く。 さて、自宅に持ち帰ったドレッシングとパスタ用あえもの。俺にはウチでサラダやパスタを作る趣味もなく、贔屓の力持ち美人に差し上げたのでした。 × × × × × 今週の拙宅の花は「サムライ」という深紅のバラと白いスプレーマム、それに紫のスターチスです。 |
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