先週土曜日のNHK「ブラタモリ」は初の海外ロケで、イタリアはローマが取り上げられていた。「ローマは1日にしてならず」がテーマ。海外には縁遠い俺だが、取材でローマにはたしか4泊し、裏道をトコトコ散歩した思い出のある街。正座してテレビを見ました。 いまでこそEUの中でさほど地位の高くないイタリアだが、かつてはヨーロッパ全部が版図だったことのあるローマ帝国。その都がローマだ。2000年の歴史の真上に街がある。番組ではコロッセオ、フォロ・ロマーノ、アッピア街道などが取り上げられ、ローマは初めてというタモリがコロッセオの大きさにびっくりしていた。そう、あれ、大きいんだよね。 俺がイタリアに行ったのは湾岸戦争が小康状態となっていた90年秋で、日本のジェトロにあたるイタリアの貿易団体の招待によるもの。日伊の経済交流で日本から経済人50人くらいが参加し、同行の記者は7、8人。ただ、もう3回目くらいのイタリア訪問だから「原稿になるような話はないと思うが、会見と昼・夜のメシには欠かさず出席してほしい」という要請があった。 ところが、俺は成田からモスクワ経由のアリタリア航空の機内食を4回きっちり食べ、夜9時にローマに到着してからの歓迎の宴で、1の皿、2の皿、メーンを食い過ぎ、アルコール度数50度という「グァッパ」で乾杯したため、その夜ホテルで七転八倒の苦しみ。胃潰瘍になる寸前の状態だった。 だから、翌日から三ツ星レストランで出される食事にはほとんど手が付けられず、ノンガス・ウオーターとグリッシーニをボリボリ食べるくらい。「うまい、うまい」と豪華料理にくらいつく仲間をうらめしく眺めていた。 会見や食事の空き時間には地図を片手にコロッセロ、フォロ・ロマーノ、バチカン、スペイン広場などを巡った。ローマの建物は色がダークブラウンで、圧迫感があって胃にこたえた思い出がある。ローマ4泊のあとシチリア巡りに行き、1泊。オレンジ色の屋根と地中海の澄んだブルーに気分がす〜っとした。 あすのブラタモリは「ローマは水なしにてはならず」をテーマにトレビの泉、上水道などを取り上げるとか。塩野七生さんの名著「ローマ人の物語」でも第10巻の水道、橋、街道を取り上げた「すべての道はローマに通ず」はベラボーに面白いのである。 |
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