ことしプロデビューしたばかりのゴルファー、渋野日向子(20)が昨日のメジャー最終戦、全英女子オープンの最終18番ホールで、7bのバーディーを決め18アンダーとし、日本人選手として42年ぶりのメジャー優勝を決めた。ひょっとしたらという期待があり、夜11時過ぎから午前3時過ぎまでテレビ朝日の生中継に見入っていたが、18番のカップに強いパットが吸い込まれた瞬間、こういうこともあるのだと、快挙に興奮した。 解説で42年前全米女子プロでメジャー初優勝した樋口久子さんが「このくらいの距離があった方が入る。渋野さんは全然ビビらないのがすごい」と感心していた。当の渋野は満面に笑みを浮かべ、私でいいのかな、という表情。無欲の勝利だが、そのプレーぶりは攻めるところは攻め、ショットは曲がらない。笑みは絶やさずギャラリーに愛されるゴルファーの誕生といえる。 実は前夜の3日目も3時まで渋野のプレーを見た。後半6バーディーを決め、14アンダーとし首位で最終日を迎えたのだ。ふつうなら緊張で眠れず、ガチガチになるところだが、渋野はニコニコ。駆けつけた日本人の観客らに手を振りながらのスタート。3ホール目のミドル。2オンに成功したのに、なんと4パット。ダボだ。普通ならここでガタガタと崩れてしまうのがこれまでの日本人選手だが、前半37と踏ん張り、この日5バーディーと猛烈な追い上げを見せた首位の米サラスに2打差の13アンダーで折り返す。1打差の2位はメジャーを取ったばかりの韓国のコ・ジンヨン。 しかし、バックナインは前日6バーディーを記録している。分からないぞと見ていたら、みんなが浮島に刻む12番ミドルでドライバーを思い切り振って1オンでバーディー。その後も13番、15番でバーディーを重ね17アンダーとしてサラスに並んだ。2組前のサラスは最終ホール1.5bのバーディーパットがカップに蹴られパー。渋野は7bのところに2オンし、ウイニングパットを決めた。 初の海外遠征であの岡本綾子、宮里藍らがなしえなかったメジャー制覇をやってのけたのだ。こんな緊張する舞台で、笑みを絶やさず、キャディーバッグを担いだ青木コーチと会話を楽しみ、大好きというお菓子をつまみながらのラウンド。ホール間の移動ではギャラリーとハイタッチを繰り返した。まるで遠足に来ているみたい。しかし、スイングに全くブレがない。こんな日本人選手が生まれたんだと、すっかりスマイルに魅せられたのです。 |
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