俺が校閲のアルバイトをしている大手PR会社は、毎月顧客用に新聞・テレビ・ウエブ業界と危機管理についての十数ページのレポートを作成している。そのレポートの校正もしているのだが、きのうチェックした今月の新聞編の内容に大きなショックを受けた。 そこには新聞各紙のことし上半期のABC部数が載っているのだが、俺が禄を食んでいた毎日新聞のそれは、前年同期比13.8%減の243万部で、一昨年までの304万部を大きく割り込んだ数字となっていたからだ。俗に「朝毎読」の三大紙と言われ、昭和29(1954)年には日本一の部数を誇ったこともある毎日。それが、ナベカマと巨人戦のプラチナチケットで部数を増やした読売、インテリ層に受けた朝日に大きく水をあけられたのが俺の在職中のこと。それでも十年ちょっと前は、読売の1000万部、朝日の800万部に対し、400万部と言っていたのだ。 しかし、昨今の活字離れ、SNSの興隆で毎日の部数はズルズル落ち、チラシで稼いでいた販売店への”押し紙”も次第に切らざるをえなくなり、実態に近い送り部数に落とさざるを得なくなったのだろう。このABC調査では読売も前年同期比4.9%減の809万部、朝日が6.3%減の557万部、産経が7.7%減の138万部、日経が4.2%減の233万部と軒並み部数を減らしているが、減少率は毎日が一番大きいのである。 総じて地方紙の減少率は小幅で、中央紙の苦戦が目立つ。そんな折り、今朝の毎日には消費税率が8%から10%になる10月1日から、駅売りの朝刊を1部140円から150円に10円引き上げるとの社告が出ていた。月ぎめの定期購読(4035円)は据え置くという。読売はことし1月から定期購読の定価を4400円に値上げしている。地方紙も2〜3月に値上げに踏み切ったが、朝日と毎日は出遅れ、そのままとなっている。 1部売りを10円アップしてもロットが小さいから目に見える収入増にはならない。こんな姑息なことをしていて、243万部にまで落ちた新聞(実売はもっと少ないと思われる)をどうやって維持していくのか。大丈夫なのか!! |
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