隠居志願のつぶやき2017

[PREV] [NEXT]
...... 2019年12月30日 の日記 ......
■ 2019年俺の本のベストテン   [ NO. 2019123001-1 ]
 白球の打ち納めは終わった。スコアはメロメロだったが、1−2着当ての”馬券”は取った。これで今年の平均スコアは昨年より4つ悪化して108の煩悩である。和室6畳間の畳替えも終了。レーザー光線で測っただけあって、ぴったしはまり、すがすがしい気分で新年を迎えられそうだ。ということで、138冊読んだ本の中で今年の俺のベストテン。
 1位は16年から文庫で出ている高田郁の「あきない世傳 金と銀」シリーズ。ことし7巻目の「碧流篇」が出た。大阪の呉服屋に奉公に出て主家の若女将となった幸の成長物語。高田さんの本は春に「みをつくし料理帖」(NHKの連続ドラマでヒロインを黒木華が好演)の全10巻を11日間で読み通し、波長が合う。この「あきない……」も1日1巻のペースで7巻まであっという間に読み終わった。すれっからしにこんなに本の楽しさを味あわせてくれたことに感謝したい。
 2位は08年に「オリンピックの身代金」をベストワンにした奥田英朗の「罪の轍」。読了後、何か同じような事件があったなと吉展ちゃん事件を思い出した。奥田は事件の背景にある世相を描くのに長けているのだ。3位は是枝裕和の「希林さんといっしょに。」。死後1年を経過しても書店にあふれる樹木希林がらみの本の中では、これが一番いいのではないか。樹木はとてつもなくすごい女優だったことがよく分かる。
 あとは順位はあってないようなものだが、4位が山極寿一・小川洋子「ゴリラの森、言葉の海」。なぜか深いことを感じさせる対談。5位が島田雅彦「人類最年長」。主人公の目に映る明治・大正・昭和・平成を考え付いた島田に脱帽。6位が下山進「2050年のメディア」。大読売の社長、山口寿一にもろもろしゃべらせた功績は大きい。7位が辻原登「不意撃ち」。こういう小説の書き方があったかと思わせる。
 8位が松岡正剛「雑品屋セイゴオ」。何でも知っている松岡がモノにまつわる思いを披歴した。挿絵も面白い。9位が更科功「残酷な進化論」。ちまちましたことを忘れさせてくれる新書。10位が北方謙三「チンギス紀」。全51巻の長編「大水滸伝」のあと北方が挑んだのはテムジンの物語。構えが大きくていいね。今6巻目を読んでいるところ。北方の講演を聞いたが、彼は一滴も血を流さずに羊を締める術をモンゴルの現地で学んだのだとか。すごいねぇ。
 というわけで19年は高田郁(かおる)の年だった。五輪の年はもっとゆっくり本を読みたい。では、いいお正月を! 2020のブログは1月6日から始る予定です。Content-Disposition: form-data; name="image"


...... トラックバックURL ......
  クリップボードにコピー

...... 返信を書く ......
[コメントを書く]
タイトル:
お名前:
メール:
URL:
文字色:
コメント :
削除用PW:
投稿キー: