拙宅には門外不出の写真がある。7年前の13年12月に某所で撮った俺の後頭部の写真である。そこにはほとんど髪がなく頭皮がむき出しで写っている。あれから7年。先日、30年来お世話になっている国立のびよういん「メッセ」に行って、いい男にしてもらった後、主任ヘアデザイナーの知ちゃんが、ニコニコしながら合わせ鏡で後頭部を見せてくれた。 すると、きれいなまるが写り、後頭部にはほとんど髪がない。まん丸の不毛地帯なのであった。円の中心は知ちゃんによると、つむじがあったあたり。「生え際の髪はしっかりあるのよね」とのことである。あまりの円の美しさに、ことしの目標に掲げている「はげあたまの精神」のフレーズが浮かんだ。「ハツラツ、元気に、明るく、楽しく、まぁるく」の五大生き方目標である。 写真撮影から7年余。あの時はまだちょぼちょぼ髪があるにはあったが、今回は満月のようなきれいな円である。俺は「サギ頭」と称され、正面から鏡を見た場合、前髪も側頭部にも十分毛が生えており、ふだん自分がハゲているとは全く思っていない。しかし、このところちょっと下を向いた時に頭頂部が透けて見えることがあり、古稀を迎えかなり侵食が進んできた実感はあるのだが、ふだん見たこともない後頭部にこれほど髪がないとは……。 きのうテレビで見た東京オリパラ組織委員会の武藤敏郎事務総長(元財務事務次官、前日銀副総裁)=1966年入省だから、俺より7年年長=も、正面からみると毛髪はあるように見えるのだが、横から撮った映像だと頭頂部にほとんど髪がないことが分かった。いずれ、俺も武藤さんのようになるのだ。 かつて一緒に仕事をしていた政策情報誌のH編集長は額の方からハゲるタイプだが、俺は、オヤジもそうだったが、つむじのあたりから髪が薄くなるタイプでよかったとつくづく思った。大学のゼミ仲間とゴルフに行って記念写真を撮る段になって、某社社長だったOくんが「後ろから絶対撮るなよ」と言ったことがあったが、よく見るとOくんも後頭部に髪がない。 ゴルゴ13の決めゼリフに「俺の後ろに立つな」というのがあるが、もしかするとゴルゴ13も俺と同じようなハゲ具合なのかもな。でも、後ろ頭に手をやると、毛髪の感触はあり、ツルツルではないんだよ。 |
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