ゴルフの握りはホールバイホールで競うケースと、前半後半トータルで争うのがある。ホールバイホールの握りなら全部負けても18億円。前半後半トータルは5億円ずつというのが多く、全部勝てば15億円だ。 土曜日は俺が幹事長をしている竹橋の会社関係者による4組のコンペが川崎市のゴルフ場で行われた。俺は12月の第73回大会をマンション管理組合の行事で欠場し、20年間で72回の連続出場記録が途絶え、74回目の土曜日の大会は期するところがあった。 このコンペには、2カ月に一度プライベートゴルフで一緒している元社長のきたさんも出場している。4月で傘寿となるおじさんからは、毎回のように前半後半トータルの握りで15億円を頂戴している。きょうもいただきだと思って、第1組のきたさんのスコア(俺は4組目)を横目で見ながらプレーした。コンペの場合、カートに出場者全員のスコアが表示されるのだ。 滑り出し3ホールまではオナーを続けたが、途中往復びんたがあり、前半の最終ホールでは入れてはいけないグリーン手前のあごの高いバンカーにつかまり、11も叩いてしまった。トホホの62。きたさんはとみると57である。前半は負けだから、握りで勝つためには後半6打差以上をつけねばならない。 ところが後半、きたさんは崩れそうで崩れない。差がなかなか縮まらない。俺もトリプル続きでそんなに内容のいいゴルフではないのだ。しかし、7ホール目でダイヤモンドボギーを決め、8ホール目で銅のカンを完成させて、トータルで1打差まで迫った。最終18ホールのショートは180ヤードと長めで、まだ追いつき追い抜くチャンスはある。遠くから見ているときたさん、足元がヨレている。カートに表示されたスコアは「8」。これならパー3のショートで6つ以内で上がればトータルで勝てる。 グリーン右手前のバンカーにさえ入れなければなんとかなる。で、左に逃げて打ったつもりのボールは無情にもバンカーに転げ落ちた。これが出ず最終ホールは10も叩いた。うなだれてクラブハウスに戻るときたさんが入り口で待っていて「スコアは?」と尋ねるので「80歳に負けました」。こんなにひとのスコアを気にしながらラウンドしたのは久々だった。 121のスコアはブービーメーカー。やれやれ、実弟の孤独死やコロナの濃厚接触者となって出場がかなわなかった仲間のことを思えば、最高のポカポカ陽気の下でプレーできたのだから、いいではないかと思い直したのだった。 × × × × 今週の拙宅の花は、「アクロポリス」というピンクの大輪のバラと「ピーチアバランチェ」という淡いピンクのバラ、それに紫のスカビオサです。 |
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