1月は行く、2月は逃げるというが、ほんに今年も早くも6分の1が過ぎた。何もしないうちに月日は流れるなぁということで2月に読んだ本。 西條奈加著「心(うら)淋し川」。直木賞受賞作。淡々とした語り口が染みる江戸の街を舞台にしたお話。こりゃ波長が合いそう。西條さんの作品は初めて読んだが、けっこう実績を積まれている。他の作品も文庫で3冊ほど買ってきた。三浦しをん著「マナーはいらない」。小説家志望の人向けにしをんさんが書き方を伝授。ま、楽しく読めました。 神舘和典・西川清史著「うんちの行方」。昨年「ウンコはどこから来て、どこへ行くのか」(湯澤規子著)という新書を手にし、このテーマの本が気になるようになった。”ウンコ”に比べると”うんち”はかなりやっつけ仕事の気がしたが、毎日新聞の書評で養老先生が大きく取り上げている。もっとウンコが評判になってもいいのになぁ。 松岡正剛・田中優子著「江戸問答」。二人の「日本問答」に続く岩波新書。前著は読んでいない俺にはちょっと高級過ぎた。近藤康太郎著「三行で撃つ」。朝日の名物記者らしい人が文章はかくあるべしと説く。若い知人に薦められた本だが、年寄りにはそうかなと思うところも多々あった。高田郁著「あきない世傳金と銀 合流篇」。待望の10巻目。いま文庫売り上げのナンバー1。高田さんの世界が大好きな人がかなりいることにほっとする思いがある。 斎藤幸平著「人新生の『資本論』」。気候変動、コロナ禍など文明崩壊の危機にあって、唯一の解決策は脱成長経済と説くエキサイティングな集英社新書。なかなか面白いところもあったが、俺は「資本論」をまともには読んでいないので……。森川暁子著「読売新聞『シングルスタイル』の編集長は独身・ひとり暮らしのページをつくっています」。タイトルに惹かれ読んだ。語り口がとぼけていて好もしい。 半藤一利著「歴史探偵忘れ残りの記」。1月に90歳で亡くなった半藤さんの遺作。「むずかしいことをやさしく」。惜しい人を失ったものだ。原田マハ著「総理の夫」。波長の合う原田さんの気になっていた文庫。日本初の女性総理誕生、その夫の振る舞い方は?映画化されるみたいだが、菅現総理の胸に響かない発言に嫌気が指している身にとっては、作中の相馬凛子の演説は素晴らしい。 |
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