富士山に登ったことはないが、富士を見るのは好きである。国立の富士見通り沿いにある「書簡集」に行く時は通りの正面奥に富士山が見えないかと、いつも駅南口のロータリーから見上げている。あれ、道の真ん中から真正面に鎮座しているのだ。 栃木の新聞社にいた時は独房に渡良瀬遊水地越しに堂々と見える富士山のポスターを飾っていた。これは東京新聞の写真部で鳴らした堀内洋輔くんが撮った写真を使っている。彼は「富士異彩」という企画で95年の新聞協会賞も取った男で、実は彼が中央大の学生時代、一緒に高校野球の都予選の取材をした仲である。その性格の良さ、粘り強さから、竹橋の会社に入ってもらおうとしたのだが、縁がなくその後、東京新聞で活躍した。 きのう「おはよう日本」を見ていたら、澄んだ空気の中スカイツリーから見える真っ白な富士山というのを映していた。こりゃ、俺も見たいと朝メシに国分寺まで遠征した帰り、駅ビル8階南側に面した喫茶店からなら見えるはずと、コーヒーを飲みに行った。ところがまぶしいというのか、せっかくの窓にブラインドが下ろされている。案内された俺の席は窓から離れたソファ席。で、店員さんのスキを見てブラインドをちょっとずらして白く雪化粧した富士山を拝んだ。 行きは定期券を使って一駅電車に乗ったのだが、帰りはスマホの万歩計のカウントをかせごうと、野川の源流の幅1bの一級河川を渡り、国分寺公園をトコトコ歩いて西国に戻った。歩いているうち、ウチの8階建てマンションの上に登れば富士山は見えるはずというアイデアが浮かんだ。先日屋上の防水工事の下見で、初めて屋上に登った時、あまりの絶景に、こりゃ素晴らしいロケーションと感じたからだ。 俺は1階に住んでいるから、マンションの上の方のことはふだん頭にない。それで帰宅してエレベーターで7階まで登り、隣の高層棟とをつなぐ渡り廊下まで行くと、果たして真っ白な富士山が見えました。ちと感動した。ここには15年も住んでいるが、エレベーターで上に上がるのは、理事会役員になった2年前からで、それも数回しかない。 これからは晴れた朝は富士山を見に行こうと思った。この7、8階の廊下からなら立川の花火も東京競馬場の花火も十分楽しめるはず。これは忘れないでおこう。 |
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