きのうここで読書感想文を書いてもらっている就活生に、読んだ本の著者とタイトルは記録しておいた方がいいと講義したとつぶやいた。で、4月に読んだ本をまとめておかなかったことに気付いた。で、4月に読んだ本。 岩瀬達也著「キツネ目」。1984年に発生したグリコ・森永事件。未解決で警察が翻弄された事件だが、その真相に迫ったノンフィクションで非常に面白かった。週刊誌記者の経歴を持つ岩瀬氏は12年を掛けこの本を著した。映画にもなったこの事件。犯人はまだ存命なのだろうに。北方謙三著「チンギス紀 九 日輪」、「同 十 星芒」。テムジンはチンギスカンとなり草原の覇者となる。壮大な物語なのだが、これからどう発展させるのか。3カ月に1冊出るのだが、あらすじを忘れてしまうので、2冊まとめて読んだ。 外山滋比古著「ユーモアのレッスン」。気の利いたフレーズが並んでいる。田畑書店編集部編「色川武大という生き方」。我ら博徒に9勝6敗の生き方を教えてくれた「麻雀放浪記」の作家、阿佐田哲也。ギャンブル小説だけでなく「怪しい来客簿」など純文学でも立派な業績を残した。その作家色川武大が亡くなってもう30年もたつのだ。その色川と接点のあった作家など33人が思い出を語った本。いい人だったとしみじみ分かる。 宮城谷昌光著「窓辺の風」。作家宮城谷が「天空の舟」でデビューしたのが1990年、45歳の時だった。俺はそのころから宮城谷の中国モノを全部読んできた。この文庫は作家デビューに至るまでの修業時代を読売新聞に連載したものをまとめた。この作家が世に出てよかったとつくづく思う。古井由吉「こんな日もある 競馬徒然草」。純文学作家で昨年亡くなった古井は作風からはちょっと想像できないが大の競馬ファンで、「優駿」という雑誌に競馬エッセーを長年書いてきた。それが一冊の本になった。「こんな日もある」の感じはよく分かるね。 中村明著「日本の一文30選」。名文のさわりを集めた岩波新書。町田そのこ著「52ヘルツのクジラたち」。今年の本屋大賞受賞作。本屋大賞は手にとることにしているのだが、52ヘルツの音が聞こえるクジラは世界中で一頭しかいないという事実が非常に効いている小説。今年の俺の本のベストテン入り早くも決定の面白さだった。内澤旬子著「島へんろの紀」。小豆島に移り住んだイラストも上手な内澤さんが島内の88カ所を巡る記録。実にユニークな方なのだ。 × × × × 今週の拙宅の花は深紅の大輪のバラ「サムライ」と白いバラ「アバランチェ」それにブルーのデルフィニウムです。どこかの国旗の色か。 ------WebKitFormBoundaryZXIoseWJ6PI1UFxt Content-Disposition: form-data; name="image"
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