6月に株主総会を開く上場企業の21年3月期決算が先週次々に発表された。俺なんかコロナでバイト先が業績不振となり、昨年6月末雇い止めになっただけに、企業業績は総じてアカンのかなと思っていたら、どっこい、コロナ禍でもちゃんと儲けている会社もあった。いい会社の上向き↑とダメな会社の下向き↓を合わせて「K字回復」というらしいが、同一業界でも明暗がわかれるというのだから、世の中は複雑だね。 誰が考えても大赤字と思うのが、JALやANAの航空会社やJR、私鉄各社だろう。ANAなんか機内食をネットで販売しているようだが、こんなのは焼け石に水だろう。接客のスキルと使ってと社員を出向させたりしている。ヒトが動かないんだから業績が振るわないのは当たり前だ。JR旅客6社の赤字額の合計は1兆円を越した。一番赤字が大きいのはJR東日本の5700億円とか。 一方明暗が分かれたのが電機業界。ソニーグループは当期利益が初めて1兆円を越え、日立製作所、富士通、NECも最高益を記録した。今やゲーム会社の趣のあるソニーはゲームや音楽の定額課金ビジネスが巣籠り需要で伸び、売上高が約9兆円で最終利益が1.2兆円。売上高が2〜3兆円の富士通、NECは企業のテレワークや学校の遠隔授業を支援するシステムの販売保守業務が伸び、それぞれ2000億円、1500億円の利益を確保した。 一方、6.7兆円の売上高のパナソニックはコロナ禍で航空機向け製品の販売が不振だったうえ車載機器事業も伸び悩んで、利益も3割近く落ち込んだ。三菱電機も車載機器の不振で利益が13%減。 百貨店も近年の収益源となっていたインバウンド需要が蒸発し、三越伊勢丹は最終赤字が410億円で、過去2番目の赤字を記録。22年3月期も最終利益は10億円にとどまる見通し。一方、大丸などを傘下に持つJフロントリテイリングは21年2月期決算は260億円の赤字に陥ったが、パルコなどが好調で22年2月期は40億円の黒字を見込む。 外食もすかいらーく、吉野家が最終赤字になった一方で、テイクアウトやドライブスルーに熱心に取り組んだマクドナルドが過去最高の営業利益を上げた。モスフードサービスも持ち帰りを強化し始め業績は改善しつつある。 しかし、何と言っても驚きはソフトバンクグループ(SBG)の最終利益が4.9兆円と、トヨタが18年3月期に記録した2.5兆円を大きく上回ったことだ。主力ファンドの投資先である海外のIT関連企業の株価が上昇して多額の投資利益を生んだ。20年3月期は約1兆円の最終赤字に陥ったが、1年で盛り返した。株価頼みの最高益だから、毎日新聞は非製造業の決算の平均を算出する時にSBGは外していたなぁ。 |
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