かつて日本では高額納税者のみに選挙権があり、女性には認められていなかった。それが戦後の1945年に満20歳以上の男女に選挙権が認められ、2016年には18歳以上に引き下げられた。被選挙権は衆院だと25歳以上、参院だと30歳以上。このように何かを行う場合、年齢で区切るのは一番公平なように思われる。 定年制にしてもしかり。上司の受けがいいからといって、A氏は60歳を過ぎても正社員、B氏はクビというのでは、世の中収まらないだろう。 コロナのワクチン接種で、日本で確保できたワクチンの総量に限りがあったため、まず医療従事者から接種を行い、罹患すると重症化が懸念される65歳以上の年長組から接種を開始したやり方は、公平なものだと思う。我が国分寺市ではまず75歳以上の後期高齢者から予約を開始し、ついで65歳以上の前期高齢者へと移っている。 スガくんが7月中に高齢者へのワクチン接種を終了させると宣言したため、全国の自治体は総務省から半ば脅しをかけられ、98.7%で7月中に完了ってな回答をせざるを得なかったみたい。これで3500万人がワクチンを接種することになる。年長組の接種のメドが立ちつつあるため、年中、年少組への接種が焦点となってきた。 そこで、アレレと思うのが今月21日から職場接種がスタートする動きだ。伊藤忠商事、明治安田生命保険、ANA、日産、ホンダなどが行うことを表明している。これらはモデルナのワクチンを使い、各社の産業医などが注射する。これ、みんな大企業である。 日商の三村明夫会頭(日本製鉄名誉会長)は政府からの職場接種要請に対し、医師の確保が難しいとコメントしている。伊藤忠やANAなどの大企業に勤める人間はワクチンを早々と打てて、中小企業の人間は取り残されるかっこうだ。 東北大、広島大などの国立大でも接種できる準備を進めているというが、これなんぞも教育関係者でないと注射してくれないのではないか。全国民がワクチン接種をするため、あらゆるチャネルを使うのは悪いことではないと思うが、公平さにも、ちと気を回してもらわんとな。 |
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