この1週間で俺にとって一番つらいニュースは、日本たばこ産業(JT)が財務省に10月からのタバコの値上げを申請したことだ。これは10月から1本当たり1円のタバコ増税が実施されることに伴い、値上げされるもので、俺が50年以上吸い続けているセブンスター(20本入り)は1箱560円が600円に、メビウス(昔のマイルドセブン)は540円が580円に、吸ったことはないが一番安いゴールデンバットも370円が500円になる。 セブンスターは1969年の発売当時は100円だったものが、俺が社会人になった73年には150円だった。2010年には300円から一挙に46%もアップし440円になり、消費税率が5%から8%になった14年には460円に。18年にはついに500円に達し、消費税が10%になった19年10月には560円になった。それが今度600円の大台に乗るのだから、50年間で4倍の値段になる。 現役のころは原稿に詰まるとタバコに火をつけていたから、1日3箱をケムリにしていたが、キリキリした原稿を書かずに済むようになった今は1日2箱。タバコ代の6割以上は税金で、1日1000両ちょい、ひと月で3万両はケムにするから、俺は所得税以上にたばこ消費税で国庫に貢献する高額納税者なのである。 俺は値上げを機に禁煙するようなヤワな人間とは違い、意志が強いから精神安定剤でもあるタバコは生涯手にすると思う。おそらく財務省は厚生労働省と組んで、1箱1000円くらいまで価格を上げてくるのだろうが、酒も飲まず”買う”こともない人間にとって喫煙は最後の楽しみなのだ。 とはいえ、1日1200両になるタバコ代は年金生活者にとっては大きい。いつも5日分10個まとめてカートンでコンビニでセブンスターを買うのだが、これを6日間持たせれば、月間のタバコ代に変わりはない計算になる。そのくらいの節煙はできそうだな。 しかし、値上げのたびに意志の弱い奴がタバコを止め、税額を上げてもたばこ税収が変わらないのが最近の傾向。喫煙率も男子が30年前55%だったのが29%に、女子がそう変わらず8%程度となっている。これからJTはどうやって商売していくのかね。 |
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