中国語や芝刈りをよく一緒に遊んでいる喜寿の長老、Aさんから、月曜日の芝刈りの昼休みに奥方の病気についての話をうかがった。同い年の奥方は昨年8月、脳出血で倒れ入院中。コロナ下ということもあり、面会もろくに出来ない状況という。いきおい亭主関白だったAさんが家事全般を担当することになった。毎日夕飯を何にするかを考えるのが苦痛なのだとか。 聞けばメシは二合炊き、おかずはコロッケなんぞをスーパーで買い求めるとか。卓を囲むときのAさんは一切アルコールを口にしないが、酒は嫌いな方ではないので、一人飯の時はけっこう酒量が増えているようだ。 この話を一緒に聞いた八十翁のきたさんは帰りの電車内で「Aくんも大変だなぁ」。きたさんも昨年奥方がひと月入院した時はおさんどんをしたとか。「今はカミさんの仕事を奪ってはいかんと思って、メシづくりは任せてます。僕はゴミ出し担当」とか。 そんな話を聞いたせいか、今週はしばらくサボっていたメシづくりを急にヤル気になった。自分のためだけに料理を作る気にはなれないが、コロナ禍で出勤・在宅勤務している長女に少しは栄養のあるものを食わせたいと、おととい晩は豚バラ野菜炒めと厚焼き玉子、昨夜は麻婆豆腐と厚焼き玉子を作った。 俺は食卓にいろんなモノが並んでいるのが好みで、主菜に加え、オーケーで入手した黒豆とか切り干し大根とか伊勢丹クイーンズのちりめん山椒、野菜サラダ、納豆、焼きのりを添えた。なに豚バラ野菜炒めは「SB菜館」、麻婆豆腐は味の素の「クックドゥ」を使ったお手軽なものだ。おとといは冷凍庫に残っていたご飯をチンしたが、きのうは炊飯器での炊き立てメシだから、長女は「おいしい」と喜んでいた。 きのうはまず厚焼き玉子を作ってから麻婆豆腐に取り掛かったが、熱いうちの方がうまいから、長女には納豆で先に食べるように言った。しろうと料理人には出来立てを同時に食卓に並べるのは難しいのだ。しばらくぶりに料理にトライしたので疲れて、おとといなどはメシを食った後、炬燵ですっかり寝入ってしまったのである。
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