十年ほど前、仕事帰りで吉祥寺で下車するといつも寄っていたのが南口すぐの「よしきゅう」というラーメン屋さんだった。煎りにんにくラーメンというのが好みで、時にトッピングにジャンボ焼き豚とか3個餃子を付けた。ところが、区画整理に遭ったのか5年ほど前閉店してしまった。 それからほどなくして三鷹駅北口に新店舗を出したことが分かった。2階もあった吉祥寺の店に比べると、1階だけでちょっと小ぶりになったが、おいしさは変わりなかった。特に冬場限定の「あんもやし麺」というのが贔屓で、なんともいえぬ濃厚なあんを麺にからめて食うとうまかったのだ。20回は食った。 しかし、コロナで中央線で上りに乗るのは中国語の勉強会に吉祥寺に行くだけのこの2年間。西国から5つ目の三鷹で下車する機会がなかった。おとといの夕方、無性に「よしきゅう」のあんもやし麺が食べたくなり、スイカを振りかざして中央線の上りに乗った。ところが、三鷹駅北口、ロータリーからすぐの「よしきゅう」は閉店し、あとには別のチェーンのラーメン店が入っていた。コロナでなじみの店が閉じたのは、分かっているだけで、新宿の安くておいしいフランス料理の「ル・クープシュー」、国分寺南口のラーメン店「味源」に続き、これが3店目。都心には出かけていないのでもっと多いかも。なんとも寂しいものである。 ちかくのド・トールに入ってググってみると、昨年秋には閉店したみたい。こんなことならコロナ禍でも足を運ぶのだった。せっかく三鷹まで出撃したのだから、ここで何か夕飯を食おうと思い、「よしきゅう」のあとに入ったラーメン店で味噌ラーメンにバターのトッピングを頼んだ。けっこう味の濃いラーメンだった。水が欲しいなと思ったら、「お水はセルフサービス」の表示があった。 そうまずいわけではないが、この味噌ラーメンは通うほどではないなと思った。立地がいいからか、夜7時、けっこう店は混み始めていたけど。おそらくコロナを機に店をたたんだのだろうと思われる「よしきゅう」。創業1979年なのに惜しいことをした。 |
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