隠居志願のつぶやき2017

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...... 2022年05月12日 の日記 ......
■ 宇江佐真理の時代小説   [ NO. 2022051201-1 ]
 ゼミ仲間との箱根遠征ゴルフの前夜祭でうれしかったのは、俺が昨年暮れの辻堂でのゴルフ後の酒盛りの時に紹介した直木賞作家、西條奈加の作品を他の3人が読んでいてくれて「なかなかよかった」と話したことだ。俺は昨年1月、「心(うら)淋し川」で西條が直木賞を取ってから、文庫になったほとんどの作品(20冊くらいか)と単行本の新作を読んできたが、元新日鉄のOは「無暁の鈴」、元丸紅のSTは「まるまるの毬」まで手を伸ばしていた。
 元ソニーのHTは「新しく出た本は買わずに昔読んだ本を読み返すことにしている」と話したが、「心淋し川」は特別に読んでくれたみたい。それで「角川文庫から最近出た『隠居すごろく』は年寄り向けでいいぞ」と教えた。Oは俺が辻堂での会で紹介した昨年のベストワン「すばらしい人体」も「あれは面白かった」と話した。そうなるとうれしいじゃない。
 それで、本屋大賞を取った逢坂冬馬の「同士少女よ、敵を撃て」について「ロシアのウクライナ侵攻の前に出た本。狙撃のプロの話だが、ベラボーに面白いぞ」と言ったら、HTが「狙撃って一人じゃできないんだ。風向きとか距離とかをみて伝える人間が必要なんだ」と言うから「そういうこともちゃんと書いてあった」と強調した。
 西條奈加で味をしめ、俺らの年代は時代小説だと思い「本屋で宇江佐真理の『おはぐろとんぼ』の文庫をみつけて求めたら、ウチに単行本がすでにあった。読み直したらストーリーを全く忘れていた」と切り出したら、STが宇江佐の代表作「髪結い伊三次捕物余話シリーズ」の熱心な読者であることも判った。
 Oが「藤沢周平を10点とすると、宇江佐というのは何点か?」と聞くので「8点かな。函館に住んでいたのに江戸深川が書ける」と答えた。みんな20年も前に亡くなった周平さんのファンなのである。すると宇江佐とはどんな字を書くのかと尋ねられたので「宇宙の宇、江戸の江、佐藤の佐、に真理のまり」と言ったら、OもHTもスマホにメモしていたから、次のゴルフ会の前後の酒飲みでは感想が聞けるだろう。2015年に乳がんのため66歳で早や死にした真理さんはもっと読まれてもいい作家だと思うのだ。

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