新宿西口に30年以上前から通っていた「L」というおいしいフランス料理の店があった。ランチは信じられないほど安く、ディナーも手金で利用できるリーズナブルなお店。多くの美女たちの誕生祝に使ったものだ。俺の好物はウニのグラタンで、ここで出るフランスパンはとてもおいしく、バターを付けていつもお代わりをしてしまうほど。 その「L」が2年前、コロナのため閉店したという話を、一、二度連れて行ったことのある次女から聞いた。ちょっと信じられなくて、新宿の店の前まで出かけたが、閉店を知らせる貼り紙があり、メールアドレスが記されていた。それで「いいお店だったのに誠に残念」とメールを出したら、「いったんこの地を離れますが、新しくオープンする時はどうぞよろしくお願いいたします」という返信があった。 それから2年。8月末に「L」からの御案内というメールが届いた。「この度、当店にいたシェフが独立し、飯田橋で新しくお店を始めることとなりました。17席の小さな店ではありますが、精一杯おもてなしいたします。お目にかかれますことを楽しみにしております。Lスタッフ一同」という内容。 これは行かずばなるまい。飯田橋には次女が勤めている出版社がある。で、次女に「Lの新店で昼メシを食おう」と約束を取り付け、先週行ってきました。表通りに面してはいるが、ビルの2階で、入り口が路地を入ったところにあるため、店のあたりでウロウロしていたら「お父さん!」と次女に声を掛けられた。 聞けば、会社の近くに「L」が出来たのなら使わない手はない、ともう2回もランチに来ているとか。ずるー!前菜、スープ、パン、メーン(肉か魚)、デザート、コーヒーが出て、1700両とは安すぎるではないか。シェフの顔は覚えてはいないが、「L」にいたお姉さんがお運びをやっていて、コーヒーカップも新宿から「L」のマーク入りを運んできたとか。 こりゃ、コロナ禍で一番うれしいニュースだったかも。さらにうれしいことに、お金持ちの次女にゴチになったのであります。 × × × × 今週の拙宅の花は深紅の大輪のバラ「サムライ」と白いアスターです。 |
|