おとといのバレンタインデーは、40年ぶりにチョコが当たらない日となった。3年も続くコロナ禍。交友関係がとみに狭くなっている素浪人だからな。別にチョコなんてもらわなくてもいいもん。その代わり、飛び切りの美女からディナーをご馳走になったのだ。 この美女とはお互いの誕生日にメシをおごる関係がここ数年続いている。ここでもつぶやいたが、俺は1月末の生まれ。数年前、俺がご馳走した新宿のフランス料理の店「L」がコロナによる閉店を経て、昨夏飯田橋に新装開店したという話をしたら、そこで誕生祝をしてあげるということになった。 しかし、人気店の「L」はかつての店よりかなり規模が小さいこともあって、予約が全く取れないとのこと。それで「地元の店でもいい?」ということになり、美女が時折り利用している国分寺の住宅街にあるビル6階の不思議な店が祝いの場に選ばれた。直通エレベーターで店に入るとテラス席もあり、その向こうに駅ビルなどが見える。へーっ、国分寺にこんなこじゃれた店があるのか。バレンタインというのに8つほどのテーブル席には他に客はおらず、ずっと貸し切り状態だった。 誕生祝の席なので、ちょっとはアルコールを入れてもいいかと、俺がドリンクに選んだのは可愛らしいモモのカクテル。アルコールを受け付けなくなったという美女はジンジャーエールである。オードブルは白い四角い大皿が9つの区画に別れていて、ホタテ貝、キッシュ、豆の煮たのとかが、少しずつ入っている。普段の夕メシは吉野家、大戸屋なので格調高く、みな美味である。 次いでバジルのパスタ。うん、おいしくできている。チーズ味のリゾットもうまい。シーザーサラダと生ハムの大皿は余るほどだった。美女が記念に俺の写真を撮ってくれたが、なんかくたびれたさえない顔をしていたなぁ。 お返しは「地図と拳」で直木賞を取った小川哲氏の新作「君のクイズ」。これは「地図と拳」があまりに分厚くハードルが高そうだったので、その代わりに立川のジュンク堂で見つけ、その日のうちに一気読みした本。1000万円が当たるクイズの最終問題で、設問が読まれる前に早押しして正解となった男が、何故正答できたかを追うユニークなお話、美女の本の好みは難しいが、まぁピン!ポン!だろう。 とにかく北風の強い晩で、テラス席に出てみる元気はありませんでした。 × × × × あすは中高の仲間との厚木での芝刈りのため”明日休診”です。 |
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