岸田文雄首相には何の思い入れもないのだが、きのうその再改造内閣がスタートした。文雄くん、なかなか小ズルいやっちゃなという印象を持った。来年の自民党総裁選での再選を目指し、やばそうな茂木敏充幹事長、河野太郎デジタル担当相、高市早苗経済安保相を閣内に留め置き、女性閣僚を過去最多に並ぶ5人誕生させた。 アキレス腱は選対本部長に起用した小渕優子元経産相かな。同じ派閥の茂木幹事長をけん制する人事のようだが、小渕は2014年、自身の政治団体をめぐる不明朗な会計処理が発覚し、会計書類を保存したパソコンのハードディスクが電動ドリルで破壊されていたことが判明。今回も「ドリル優子」の異名が流れた。会見で涙をため「政治家として歩みを進めていく中で、心に反省を持ち決して忘れることのない傷としたい」と訳の分からぬ釈明をした。あれではなぁ。 俺は政治部にいたことは全くないのだが、政策情報誌の編集部にいた2007年9月、シンゾーくんが病気で政権を投げ出し、福田康夫首相が誕生した際、「銀のスプーン政権 内閣の半数が2世」という原稿を書いたことがある。この時の福田内閣は18人の大臣のうち世襲政治家が9人もいた。東京しか知らない2世、3世では地方の生活実態や産業を肌で知らず、格差などの問題を解決できない。「売り家と唐様で書く三代目」という江戸川柳もある、ってなことを書いた。 今回の組閣でも岸田をはじめ8人が実父、実母が国会議員だった世襲大臣となっている。目玉にした5人の女性大臣中3人が世襲だ。土屋品子復興相が土屋義彦元参院議長の次女、加藤鮎子少子化担当相が加藤紘一元幹事長の三女、自見英子地方創生担当相が自見庄三郎元郵政相の次女。小渕選対本部長も故小渕恵三首相の次女だ。 俗に政治家の3バンといわれる。地盤、看板、鞄(資金)の三つで、地盤は政治家を親に持つ2世、3世が圧倒的に有利だ。世襲政治家の跳梁跋扈が政治不信の最大の要因と思わざるを得ない。 |
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