国分寺駅ビル内の花屋さんに5年前ここで社会人としてのスタートを切ったH嬢が、昨秋店長として凱旋を飾ったことは昨年10月7日につぶやいた。国分寺にはメシを食うため朝夕出撃しており、この花屋さんの商品の並べ方にいつも意図が感じられ、H店長も頑張っているなと店をのぞくのが楽しみとなっている。 先々週だったか、いつものように拙宅のリビングを飾るバラの花を求めに店に立ち寄ったところ、H嬢が店長じきじきに接客に出て「古新聞って手に入りませんかね。このごろは以前のように新聞販売店では譲ってもらえないんです」と言う。新聞は弁当を包むのに最適な品。花屋さんもバックヤードで仕入れた花を小分けするのに古新聞は必需品なのだろう。 「そんなのお安い御用だ。今ウチでは2紙を購読しているから、古新聞は山ほどある。今度持ってきてあげるよ」と答えたら、「うれしいです。ダメ元と思ってお尋ねしました」と美形のH嬢の顔がほころんだ。H嬢の誕生日は9月中旬。で、二度ほど紙袋に結構な量の古新聞を入れて「バースデー・プレゼントだよ」と届けた。 古新聞がプレゼントでは色気も何もあったものではないが、H嬢曰く「とっても実用的でうれしい」。店の従業員からも「こんなにたくさんどうしたんですか?」と喜ばれたとか。 おととい閉店間際に店をのぞくと、H店長が「新聞、ありがとうございました。これお礼です」ときれいにラッピングされた深紅の大輪のバラを差し出した。俺が一番好きな「サムライ」である。70年以上生きてきて、お花をいただいたのはこれが3回目か。古新聞がバラに化けたかと、とてもとてもうれぴかったのである。 |
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