我ら年長組の冬に帽子は欠かせない。思うに歳を重ねるごとに頭髪が薄くなるため、冬の冷気が頭皮を直撃する。これを防ぐため帽子は必需品なのだ。経験的に言うと、帽子をかぶれば下着1枚分は違うのである。近所の「ド・トール」などに平日たむろす年長組のほとんどが帽子を着用している。野球帽が大半だが、俺のようなハンチングもいれば、毛糸の正ちゃん帽も。さすがに貴族的な中折れ帽はいないか。 その俺のハンチングだが、飛び切り美人から誕生祝にいただいたちょっとすました感じの緑色のチェック柄と、カジュアルな赤と黒のチェック柄を長年愛用してきた。ところが、この春、赤黒をどこに置き忘れたのが紛失してしまった。緑も上品でいいのだが、西国界隈でかぶって歩くにはちと不向き。で、この秋は四半世紀も前に福島に遊びに行った折りに求めたコルクでできたハンチングをもっぱらかぶっていた。 コルク製だけに色は淡いベージュ。真冬に着用するにはちとふさわしくない。で、このひと月、冬用のハンチングがないかと、西国マイン2階の紳士用品売り場、国分寺丸井3階の帽子屋、伊勢丹立川店の紳士小物売り場をのぞき続けたが、気に入った品は見つからなかった。それで、飛び切り美人にどこの帽子屋さんでハンチングを入手したのか尋ねたら、吉祥寺北口のサンロードにある帽子屋だったことが判明した。 で、土曜日中国語学習で吉祥寺に出撃した際、「無」という名の帽子屋を訪れると、あるわあるわ帽子ばかり300点は並べてあった。その中に赤、緑、黒、ベージュの布をパッチワークみたいに張り合わせた「当店オリジナル」と店員さんが言う面白いデザインのハンチングがあった。うん、これだな。お値段も伊勢丹立川店の約半値。会計していたら、前にいたご婦人が「あら、素敵な色だこと」。 これには気をよくしたのだが、土曜の麻雀は勝てないし、きのうかぶって出撃した生物学学習も惨敗である。しゃれてはいるが、どうも博打に強いハンチングではないようだ。 × × × × 今週の拙宅の花は赤、ピンク、白の3種のバラです。あすは年長組による幹事優待ゴルフのため”明日休診”です。 |
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