隠居志願のつぶやき2017

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...... 2017年07月27日 の日記 ......
■ 円生の口調   [ NO. 2017072701-1 ]
 できる語学は?と尋ねられると、日本語、落語、ラテン語と答えることにしてきた。ラテン語は誰も検証できないのでほんのシャレだが、落語は中学高校時代はかなり本気で聴いたのである。当時は端正な芸風で「寝床」を得意とした桂文楽、昭和の名人、三遊亭円生、のちの人間国宝、柳家小さんの全盛時代で、赤坂のTBS落語会にはよく足を運んだ。
 中で俺の贔屓は子どもの出る噺から人情噺まで何でもござれの円生で、ラジオの前にテープレコーダーをセットしてかなり円生の落語を録音した。何度か転居を繰り返すうちに、テープはどこかに消えてしまったが……。
 そんな話を餃子の街の美女にしたら、1月の誕生日に円生のベストCDをもらった。「夏の医者」「包丁」「佐々木政談」「百川」「文七元結」が入っている。やっぱりいい、ってなことをここでつぶやいたら、父の日に長女から「これから時間ができるでしょうから」と「円生百席」のCDの1〜10巻をプレゼントされた。
 中古品というがちゃんと聴ける。そしたら45巻まである「百席」を全部欲しくなった。とはいえ、11巻から45巻まで求めると、相当な金額になる。で、ラインナップを眺め聴いたことのある噺を収めてあるCD、ざっと20巻を栃木美女に”密林”で探してもらうことにした。原資は栃木の新聞社の共済会の退職お祝い金である。
 西国の生活もようやくペースがつかめてきたので、先日の日曜日に好きな噺の「三年目」と「三十石」を聴いてみた。「子持ちの眠たがり、て〜言うが、ほんとうだ」とか「そちらさんは何人様で?」「こちとら、しじゅう(四十・始終)二人や」など、メーンの筋とは外れたところの言い回しがくっきりと思い出される。
 居合わせた長女も円生を聴いて「お父さんと話し方が似ている」とコメントした。で「ずっと聴いていたから影響されるんだよ」。
 「地べたを掘っても三文の銭は出ねぇという」、とか「なんでもやるけど、目で煎餅を噛めなんてのはダメだよ」など、落語にはいいフレーズがたくさんあるのだ。話の”間”の美学も勉強できる。とはいえ、「ヤバイ!」なんて平気で大きな声を上げている今のわけーもんにウケるとはとても思えないね。

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