「酒悦」の福神漬けのビンを開ける日が思いのほか早くやってきた。西国の台所の引き出しの奥にコンビーフの缶詰があるのを発見、賞味期限がことしの11月かなんかで、これを食ってしまおうと先週の休みの日に思い立ったのである。 今度は国分寺駅ビル地下で佃煮を求め、西国マインのスーパーで四分の一レタスを買った。これは50円くらいで安い。コンビーフとレタスの炒めものは数少ない俺の得意料理(?)なのだ。 缶のコンビーフをあの独特な缶切りで開け、1a角に切る。レタスを適当な大きさに千切って熱したフライパンに入れ、醤油をテキトーにかけて2,3分炒めるというもの。これ案外にうまいのだ。 ところが2年ほど引出しに入っていたコンビーフは包丁で賽の目に切ろうとすると、冷やされていなかったためか、少々グツグツになってしまった。まぁ、腹の中に入ってしまえば同じだけど……。 これを大きなお皿に盛り、サトーのご飯とタニタの味噌汁、福神漬け、なめ茸、シソ昆布の佃煮で夕飯である。小銭稼ぎのアルバイト仕事を始めなかったら、お料理教室に通おうかと思わないでもなかったが、週3日の労働はゼンコーにはなかなかきつく、料理を習うのは止めた。こんな安直なメシでも、アツアツならうまいのである。 もう夕飯は終わったという長女にも「ちょっと食べてごらん」と声をかけたら、二口三口箸を付け、「なつかしい味」と一言。×を付けた直後の四半世紀前、勤続20年の3週間休みに、母親のもとで暮らしていた二人の娘に、1日おきに夕食を作って食べさせたことがあったが、その9回の主菜のなかに、このコンビーフとレタスの炒めもあったのである。 |
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