30年も前「狸穴のサンダル官庁」と自虐的に使われた言葉がある。いまは誰も分からないだろうなぁ。中央官庁が集まる霞が関からちょっと離れた狸穴にあった郵政省の役人が省内をサンダルでペタペタ歩く様子を卑下して言ったもの。2001年の官庁再編で郵政省は、自治省や総務庁と一緒になり、今や総務省の1セクションになったが、最強官庁といわれた大蔵省も郵貯の取り扱いに関しては頑固な郵政官僚に根を上げたものだった。 省内をサンダルで歩くなんてと非難されそうだが、あれ革靴を履いているより、はるかに楽なんである。特に暑い夏は靴の中が蒸れるので、俺も政策情報誌の編集部にいたときは、来客もないのでサンダルを愛用していた。 栃木の地方紙で4年間座敷牢にいたときは、最初の2カ月こそ、ちゃんと靴(実は革靴では足が痛くなりつらいので革靴に見えるソフトタイプのウオーキングシューズ)を履いていたが、大専務ら生え抜きのおじさんたちも社内ではサンダルで動き回っていたので、何も格好を付けることはないと、外出時以外はサンダル履きで通していた。ドンキで買った黒いサンダルで、今は洗濯物を干す時のベランダ用になっている。 さて、今週からアルバイト先が45階建て近代的ビルの高層階に移った。これを機に仕事中はサンダル履きでいることにし、昨夜は西国マインの靴屋さんで好さげなのを選んだ。足の底が当たる部分が茶色で、ベルト部分が黒。軽くて、近代的なビルに負けない手作りの高級品である。この2カ月はリキを入れて文章を見るときは靴を脱いで、靴下のまま踏ん張っていた。これじゃぁ、あんまりだもんね。 本日は得意先に配布するレポートを中心に50ページは校正・校閲を行ったが、15ページのレポートは書き手の脳みそのしわの具合を見たくなるほどのいーころかげんな文章で、つい「これ、誰が書いたの?」と口走ってしまった。サンダルじゃなかったら、発狂してしまうくらいの代物。若い奴なら呼び出してシバいてやろうと思ったが、中堅社員の手になるものと聞いて、「社長宛にこんな文書を出したらクビだろう」と密かに思った。アルバイト先には、そういう社員もいるのである。 × × × × × 今週のお花はピンクのガーベラと白いバラを中心にしたキッチンブーケです。 |
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