お休みのきのうの夜は、新宿に出撃した。かつて京王線明大前の某大でやっていた文章教室の教え子との歓談の会である。夏に泣かせる手紙をくれた大手食品企業で経理をやっているKくんと、彼と同期でナベツネの会社で記者をしているE嬢。いずれも社会人5年生。ということは5年ぶりの再会か。 マスコミ志望者向け文章教室で俺は「男子三日会わざれば刮目して見よ 女子十日会わざれば別人と思え」のフレーズを多用していたが、まさに刮目の再会であった。 経理マンのKくんは工場に出かけたり重役と話すとき、年に12本の800字の作文を書いてきたことがどれほど役立っているかと強調した。自身、タバコを吸わないのにセブンスターを離さない俺のために、今では珍しい喫煙可のうどん懐石の店をセッティングしてくれた。昨年結婚した2つ年上の姉さ女房の写真を見せてくれた。大学1年の夏休み明け「夏の大ドジ」のテーマでふられ話を書いた男にしては上々の首尾である。 地方支局にいるE嬢は衆院選の開票事務打ち合わせで上京したといい、元気いっぱいだった。入社2年目にサツカン(警察幹部)からセクハラを受け、沈んだメールをよこした時とは大違いだった。「記事だけでは言葉の壁があって世界に通用しない。それでカメラウーマンを志願し、来春、実現しそう」と俺らの年代では思いもよらぬ道を選んだみたいだ。 記者に内定してから介護士の資格も取ったE嬢。いまゴルフにはまっていて、120を切るのが目標と言う。「先生と一緒に回りたいなぁ」だと。こりゃ、実現したら楽しいかも。 二人は口をそろえて「ダメな若手をどう育てたらいいのか?」と言う。「彼らだって、自分の下が入ってくれば、少しはシャンとするだろ」というのが俺の答え。思えば初めて会った時はハタチ前だった彼らも、28歳の中堅社会人なのだった。 |
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