朝晩めっきり冷え込むようになり、コートにマフラー姿の勤め人が増えてきた。俺も週三日のアルバイトには背広にコート、マフラーで出かけているのだが、困ったことになった。８年ほど前に伊勢丹で買った濃い茶色に紫色のラインが入ったマフラーの真ん中の折り目の部分が擦り切れ穴が開いてきたのである。このままでいると中心部の穴は折り目に添ってどんどん広がる。ちと、みっともないかなぁ。
このマフラーは以前に着用していた茶色のカシミアのマフラーにタバコの火で直径７㍉の穴を開けたため、ちょっとなと思って新調したのだった。カシミアのは手触りもよく、捨てるには惜しかったので、４つに畳んでロッキングチェアの座布団替りにしていた。ロッキングチェアにはあまり座らないので、そう傷んではいない。
で、決断。他人のマフラーの穴なんか誰も気にしていない。年金生活者は暖かければいいのだ。で、前のカシミアを再登場させることにした。クリーニング屋に持って行き、ふわふわの高級仕上げを頼んだ。店のおばちゃんも「穴なんか分からないわよ」。
それできょうから着用に及んでいる。これまではコートの襟が汚れないように、巻くのではなく、ただ首からぶら下げるだけのマフラーだったが、それだと何かの拍子に７㍉の穴が表面に出ることがあるので、縦に半分に折ったマフラーをさらに横に半分に折って二重にして首の周りに巻き、お相撲の下がりのようなビラビラのついた端を穴に通すワンループ式という巻き方にした。これだとタバコで開けた穴はどこかに消える。加えてかなり暖かい。
マフラーの巻き方には１周巻きとかバック巻きとかいろいろなパターンがあり、ちゃんと名前が付いていることを今回初めて知った。襟巻トカゲのお化けのような巻き方をしている女の子も多いね。あれはどれほど長いマフラーなのかね。
年金生活者はテイサイなどかまっていられないのだ。昨日は夏まで中元を贈っていた世話になった２人に「年金生活となったので、季節のご挨拶はこの冬から取り止めにいたします。あしからず」とのお便りを出したのである。
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