先週、アルバイト先で上司だった女性部長とのやりとりは金曜に、とつぶやき、さぼっていたら、熱心な読者から「あれはどうした?」と指摘を受けた。で、きょうはそのNAKAGAWA部長について。 この東京六大学の某私大で4年間馬術部だった美人部長は、ファーストネームが「I」で始まる。で、アルバイトに行く前から「inakagawa」さんと何度か打ち合わせのメールを交換した。都会育ちのNさんが「田舎川」というのが何ともおかしかった。 芳紀(ではないか)53歳で、大学生の男の子と高校受験の女の子がいる。お盆休みは受験生の「理科の試験勉強にずっと付き合ってどこにも行かなかった」と言うから、大した頭脳の持ち主である。 そのN部長が部長席の真後ろに座っているI局長に向かって、たびたび「Iくん!」と呼びかけるのである。会社員を長年やってきたが、局長を君付けで呼ぶ部長というのは初めて見た。それで、パーティーかなんかの席でI局長に「気にならないんですか?」と尋ねたら「だってNさんの方が先輩なんだもん。ずっとバリバリやってこられたし……」。I局長はクリエイティブ分野で数々の受賞歴があり、服装もラフ。そういう会社内の序列なんてどうでもいいと捉えているようなのであった。 で、先日の歓送迎会で「長生きはするもんです。局長を君付けで呼ぶ部長というのを初めて見た」と口を滑らせた。すると、田舎川さんは「IくんはIくんなんだもん。同期の執行役員KくんもKくんだわねぇ」。この辺の感覚が女性ならではのものか。 竹橋の会社で、俺も同期の役員とサシの時は呼び捨てだが、みんなの前では「代表」とか「常務」とか一応、敬称を付けて呼んでいた。昭和の遺物のような俺なんか、将来のあるうら若き社員が聞いてる前では、やはり君付けはまずいと思う。でも、部長は局長、役員でなければ注意できないんだよね。 それで歓送迎会の場ではセゾングループの代表だった堤清二氏の話に逃げた。堤さんに「○○!」と呼び捨てで呼ばれている間はいいが、「○○くん!」と呼ばれ出すと注意信号。「○○さん」と言われたら、もうクビの辺りがスース―するというエピソードだ。これはセゾンの大番頭だったW氏から直接聞いた話だから間違いないと思う。 サラリーマン社会は呼ばれ方一つでも、奥が深いのである。 |
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