立春も過ぎたというのにまだまだ寒いねぇ。と言うことで1月に読んだ本。 新年の口開けは養老孟司著「遺言。」。大ベストセラー「バカの壁」で有名になった養老センセが語り下しではなく自分で書いた本。非常に難解な本で俺には何が言いたいのかよく分からなかった。「Dog変じてGodになる」という下りだけが頭に残った。小泉今日子著「小泉放談」。最近不倫で名を上げたキョンキョンが近しい人との雑誌での対談をまとめた文庫。キョンキョンはまだなっていないと言うが、女性の更年期の辛さがよく分かった。 山藤章二著「はじめての八十歳」。週刊朝日を後ろから似顔絵で開かせた男が縦横に語る。向かうところ敵なし。元気なじいさまは強いのだ。逢坂剛著「重蔵仕末 奔流恐るるにたらず」。ミステリーの逢坂が時代小説の分野にも進出。会話を書くのがうまい逢坂だからこの近藤重蔵シリーズもずっと楽しませてもらったが、8巻目にして終幕を迎えた。表紙の絵は逢坂の実父で、宮本武蔵などの挿絵を描いていた中一弥の手になるもの。親孝行な本だ。 林香里著「メディア不信」。トランプの登場、英国のEU離脱などメディアは読み誤ってきた。なぜ既存のメディアは流れを読み誤るのか。日本においてもその傾向は強い。その背景を解説している。馬場マコト著「江副浩正」。リクルート事件でしかしらない江副だが、東大新聞会時代から江副の事業センスは抜群で、情報産業という新しい産業を興した。その天才の一生をリクルートに長年勤めた馬場が丹念に追う。株式の世界に手を出さなかったらリクルート事件もなかったろう。実は江副氏には一度だけインタビューしたことがある。その時の印象は「ねずみ男」。1月ベストの非常に面白い本だった。 早坂隆著「新・世界の日本人ジョーク集」。十年前の新書の続刊。遠田潤子著「オブリヴィオン」。あの北方次郎激賞の小説というので読んでみた。確かに面白い。競輪が大きな要素になっている小説だが、遠田はよくこの世界を知っているなぁ。福岡伸一著「動的平衡3」。福岡が唱えている、細胞は絶えず生まれ変わり元の組織を形作っているという動的平衡。この考え方に惹かれているのだ。ちくま文庫「色川武大・阿佐田哲也ベストエッセイ」。9勝6敗を目指せとか俺のようなチンピラ博徒には学ぶべきところの多い本。博打を打つかたわら色川は編集者として幅広い交友をしていた。その色川が急死してもう30年がたつ。色川は作家、伊集院静の人生の師なのである。伊集院の「いねむり先生」はその交友を示すよい本でお薦め。
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