月に2度ほど国立の音楽茶屋「奏」などで開かれるジャズライブに行くのが生活のリズムになっている。ところが、年末の年忘れライブも中国語学習と重なり欠場。新春のステージも都合が合わなかった。これではまずいと今月10日、国分寺のきりたんぽ料理の店で行われる「きりたんぽライブ」を今年のライブ始めにするつもりだった。 ところが、その日になってアルトサックスの巨匠、宮野さんの令夫人から「本日のライブ、宮野は体調不良のため欠場します。もしお越し下さる予定でしたら申し訳ありません」とメールが来た。誰もまねできない心に沁みる音色を響かせる巨匠、宮野さん。彼なしのライブは考えられない。 で、「インフルエンザ?」と返信すると令夫人から長文の返事があった。曰く、数日前から胸焼け、胃の痛みがあり、8日はリハーサルを早めに切り上げて帰宅。不快感がひどく、しゃっくりが止まらない状態でほとんど眠れない。思い切って明け方3時にタクシーで府中病院に駆け込んだところ、着いた途端に嘔吐。痛み止めと点滴をしてもらって帰宅した次第。まだ、しゃっくりが止まらないのです。 これは至宝がえらいことになった。で、「長年の疲れかも。ゆっくり休んで」と連絡した。巨匠の熱烈なファンのHくんが作成している宮野さんの出演表によると、今月の宮野さんはそこらじゅうからお座敷がかかり、月末には関西への遠征公演もある。16日の金曜日には国立「ノートランクス」でのカルテットも予定されている。 で、16日に令夫人に「どんな?」とメールすると「痛みはなくなり食事も普通になった。不思議なことにきのうもおとといも、仕事に出る前に食事すると、夜から続いていたしゃっくりも停まり、演奏もできるみたい。そして家に帰りつくとまた、ヒクヒクと始まる。ノートランクスには参ります」。 それで夕刻から国立に出撃した。ドラムの子がインフルエンザにかかりお休み。ギターとサックス2本の渋いトリオとなった。夜眠れない宮野さんは首筋のあたりがちょっと痩せた感じだったが、いつものしみじみとした演奏を聴かせた。 俺らの世代は仕事が薬なのかな。俺も胃潰瘍をやる1年ほど前、夜中にしゃっくりが続いたことがあって、あれは体力を消耗するものだ。そろそろ精密検査の結果が出るころ。巨匠の横隔膜に異変がなければよいのだが。 |
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