もといた竹橋の会社関係者で21世紀になって早々、5組20人のゴルフコンペを始めた。年4回のペースで開催し、おとといの大会で63回を数えたが、その優勝者だけが出場資格のある真のチャンピオン大会というのを、毎年お盆前に開いており、昨年の第15回大会で俺は優勝し2度目の真のチャンピオンに輝いたのである。 それで、このコンペでホールバイホールで1億円を取り合っている元社長のキタさんに「いつも握りをいただいてばかりで恐縮です。真のチャンピオンになったので、これからはショート除きでエブリワンを差し上げます」とゴルフの集合写真を送る時に送った挨拶状に、書き添えた。これが身の程知らずであったことが土曜日のコンペで思い知らされた。 昨年、後期高齢者入りしたというのに、キタさんはドライバーは曲がらないし、下手をするとオーバードライブされる。加えてザックリなどのミスショットがほとんどない。ダボペースでしっかり回る。ミドル・ロングホールでエブリワンだから、キタさんがダボだと俺がボギーでようやく引き分けだ。 ところがこの日は関越自動車道で車6台の事故があり、それに巻き込まれたメンバーが17人中5人もおり、幹事長の俺は5組の組み合わせの変更に忙殺され、パット練習はおろか準備運動も出来ずにコースに出るハメとなった。俺はキタさん、栃木の新聞社で経理担当役員をしているタラちゃんと3人でラウンドしたのだが、俺はミスショットが多くダボがやっと。するとキタさんもダボだから、毎ホール1億円ずつ取られることになる。前半を終わって俺55。キタさん54。6億円も負けている。エブリワンなんてとんでもないことを言ってしまった。「こりゃ、とても勝てない」と思いながらのラウンドだった。 午後は少し体が動くようになったが、各ホールで勝つためには2打差をつけなくてはならない。ようやく3ホール目で俺がパーを取り、最終ホールでボギーとトリプルで、計2ホールでは勝ったが、引き分けが多い。結局、午後は俺50、キタさん54で、計8億円負けた。「キタさんが優勝したらエブリワンは取り消します」と途中で叫んだが、キタさん優勝には4打足らず6位。俺も4打足らず5位。 事故渋滞にはまった連中がことごとくスコアを乱し、17人中、100を切ったのは4人だけという極めて低レベルの戦いになってしまったのだ。もっともオリンピックは俺の一人勝ちだったから、8億円の原資は出た。エブリワンで勝つのはほんとに容易ではないことが分かったのだが、武士に二言はない。次回もキタさんとの握りは取られ、それをオリンピックで取り返すしかないなぁ。 |
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