隠居志願のつぶやき2017

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...... 2018年04月04日 の日記 ......
■ 3ページ目までが勝負   [ NO. 2018040401-1 ]
 国営放送の朝ドラ「半分、青い」が始まった。朝ドラは面白くて、気が利いていないと朝、ちゃんと起きれず、アルバイトに行くのに差し障りがある。3月までの「わろてんか」がその前の「ひよっこ」に比べ、”日光の手前”だっただけに、先月末の30分の予告編を観て、キャストはいいが、中身がなぁと不安視していていた。2日の1回目を観て、こりゃないかなと思ったのだったが、今朝の3回目で、観続けてもいいかなと思った。なるほど、そうだというセリフを登場人物にしゃべらせていたからだ。
 脚本はトレンディ―ドラマで名を上げた北川悦吏子。物語は71年の同じ日に、北川の故郷、岐阜県に生まれた金持ち写真館の男の子(谷原章介・原田知世夫婦)と大衆食堂を営む夫婦(滝藤賢一・松雪泰子)の女の子の青春を描くようだが、きょうの女の子の名前をめぐる15分の中にそうだよな、というセリフに出会ったのだ。
 祖父役(!)の中村雅俊、祖母役の雪吹ジュン(好きな女優)が一晩寝ずに考えた「つくし」という名前が却下され、松雪が産院の窓から見たスズメにちなんで「鈴愛(すずめ)」と名付けられたのだが、「おじいちゃんは自分の3人の男の子の名も飼っていた犬の名前も付けることができなかった。1回でいいから名前を付けたかった」というセリフに、全くだと引き込まれたのである。
 普通のサラリーマンには仕事で名を残すなんて経験はまずできない。俺もそうだが、わが子の名前を付けることくらいが後世に残る唯一の仕事といっていい。それがかなわなかった中村雅俊は孫の名前を見開きのノートいっぱいに書きだしていたのである。風吹ジュンはせがれが中学時代にふられた「久美子ちゃん」の名前をつけたかったことを、日記を盗み見て知っているのだ。このあたりにリアリティーを感じたね。
 結局、腎臓が悪く子どもは無理と思われていた母の気持ちを尊重して「鈴愛」。誰の名前にも物語はあるのだった。ちなみに写真館のせがれの名は「律(りつ)」。原田がピアノを弾くため、旋律の律だが、岐阜県には不似合いな名前だよなぁ。こんなディテールの積み重ねで、長丁場の朝ドラは出来上がっていくのではないか。鈴愛は小学生のころ左耳が聞こえなくなる病気にかかるが、これは北川が数年前突発性難聴になった経験をもとにしたものとか。
 今朝の「毎日」のひと欄に載っていた「魔女の宅急便」の作者、角野栄子さん(83)の言葉に「童話は3ページ目までが勝負。つまらなければ子どもは止めてしまう。3ページ目までは我慢して読んで」というのがあった。「半分、青い」。3日目で視聴者のハートをつかんだと思うね。
 

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