昨夜は新聞社の5コ上、H氏の通夜に参列した。享年73歳である。場所は杉並で午後6時から。アルバイトの日で、1時間早退させてもらった。社員時代は「お通夜に」と言えば「お疲れ様」だったが、アルバイト風情だと、年間で14時間許されている有給の時間休をきちっと上司に申請しなければならない。ことしはここまでで5時間使った。 H氏は竹橋の会社で専務まで勤め上げ、栃木の新聞社で社長、会長を歴任した。俺が宇都宮に行った時はもう代表権がなく、東京支社に週1回顔を出す程度だったから、深い付き合いはないが、葬式は人生一度きりだから。 無宗教で行われたから、焼香はなく白いカーネーションを祭壇に捧げるだけ。栃木の新聞社からも受け付け要員として3人が駆り出され、役員の顔も4人現認した。竹橋の会社の元社長、前社長、現社長、栃木の会社の会長、社長にもお浄めの席で出会った。参列者の中に30人は見知った顔があったが、この年になると葬式でしか会えない人が何人もいるのである。 遺影はとても柔和ないい写真だった。聞けば、昨年6月の栃木の新聞社の株主総会に見えた時に写真部が撮ったものとか。あの時は胆管がんで抗がん剤治療中とみんなの前で告白していた。メタボだったおなかもだいぶへこんでいた。闘病1年余。社長、会長をやった人でも、人間は必ず死ぬのだ。それにしても73歳は若いよなぁ。 きょうの告別式でも裏方を務めるため、栃木からの応援部隊は昨夜は東京泊りとか。「この時期、宿がなかなか取れないんですよ」と旧知の局長が話していた。俺は新聞社を辞めた直後に自前でつくった名刺の字体がいまいち気に入らないため、早く使い切って次のを頼みたいと、ここぞとばかり名刺配りをしていたなぁ。 |
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