29年前夕刊サラリーマンページの創設メンバーとなり、現役のOL5人に「女は見てるぞ」という600字のコラムを書いてもらったが、その中の一人で某ビール会社の広報にいた「博愛乙女」という美女(この人は正真正銘の美人で日経ウーマン創刊号の表紙を飾った)に「どうして新聞記者は縦長の肩掛け鞄を持っているのか」と書かれたことがあった。 カッチリとしている横に長い鞄は重役用。取材現場に跳んで行ってメモを取る必要のある記者の場合は両手が空くので、縦長の鞄の方が使いやすいのだ。当時、俺も御徒町の吉池デパート3階の鞄売り場で買った「青木鞄」の茶色の革製の縦長鞄を愛用していたのだ。 この鞄は取っ手が擦り切れ、中身のクッション材が外にはみ出て手がベタベタになるまで15年ほど使ったかなぁ。とても気に入っていたので、次の鞄も吉池デパートで全く同じ色、同じデザインの「青木鞄」のにした。2万2000両くらいだったか。初代と違うのは、外側のポケットがケイタイが入れられるように工夫されていたこと。長持ちするよう、売り場のおじさんが鞄の底に、補強材として革製の板を敷いてくれた。 この縦長鞄にはデジカメ、京大式カードとそのホルダー、A4のクリアファイル(書類入り)3点、予備のセブンスターと赤のサインペン、それに通勤の間に読む文庫本か新書が入っているのだが、2週間ほど前、西国で降りたら肩紐の留め金のところが外れ、鞄が地面に落っこちた。2代目も10年以上使っているから、回転式の留め金の部分がすり減って穴から滑り落ちたとみられる。この2週間は肩紐は使わないようにして、取っ手を掴んで持ち運んでいたのだ。 それで金曜日のお休みに、「ペンタゴン・ペーパーズ」を都心で観た後、御徒町の吉池デパートに赴いた。あの東日本大震災の当日以来だから7年ぶりか。ところが吉池デパートは大改築され、ユニクロがメーンで入っていて、鞄売り場は消滅していた。愛着のある鞄。さっきインターネットで調べたら、青木鞄に31年在席したおじさんが元浅草に店を出していることが分かった。まだまだ本体は十分使用に耐えられるから、金具のところを交換できないか、この店で相談するつもり。 バイトに行くのになにも鞄は必要ないのだが、鞄を持っていると仕事モードになるでしょ。いよいよとなったら、競馬に行く時の緑色の手提げ袋があると言ったら、生活指導担当の力持ち美人から「それは止めなさい」ときつく言われてしまった。 × × × × × あすは大学のゼミの遊び仲間と1年ぶりに芝刈りのため、「明日休診」です。 |
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