たまには景気のいい話を。 この前の日曜日の中央競馬、安田記念で春のG1シーズンは一応、一区切りついた。9番人気馬が勝った安田記念はもちろん外れた。負けたってまた来週もある競馬かな、の心境だが、この前囲んだ卓で驚くべき事実が判明した。 大学時代から生物学に打ち込み、竹橋の新聞社が20年前から、週末に設けた競馬欄の当初の予想陣の一人だったKくんが「やりました」と満面の笑みを浮かべて5月27日のダービーの戦果を語ったのである。 彼の本命は、俺の教科書「日刊競馬」が本命の印を打っていた17番、ワグネリアン本命。対抗に皐月賞馬の12番エポカドーロとし、このところ競馬で負け続けていたため、資金が乏しく10レースのダービーだけ参戦したという。 日曜出番のため、会社でテレビ観戦していて、ワグネリアンが最後の直線で、先行していたエポカドーロをわずかながら捕えた時には「やった!」と大声を上げたのだとか。三連単は1−2着、12・17固定で3着に10頭ほどをマーク。16番人気ながら3着に食い込んだ7番コズミックフォースも、前走のプリンシパルステークスの勝ちタイムが良かったので、100円ずつ買った10頭の中に入れていた。 三連複も12−17から10頭ほど流し、7も200円持っていた。これでダービー史上最高配当の三連単285万馬券、三連複52万馬券をゲットしたのだ。馬連79倍、馬単155倍もそれなりに持っていたから、トータル400万両余りの成果となった。 「長年、競馬をやってきて、ダービーでの大勝利。もう死んでもいい」と言うKくん。大万馬券を取った時は、同好の士の誰かに話したくなるのが、宝くじの当選とは違うところ。聞く方も素直に祝福できるのである。福永騎手のワグネリアンを本命にすれば、決して買えない馬券ではないが、それにしても2分ちょっとのレースで400万両とは、うらやましい限りだ。 「かみさんに、両親に何か記念のプレゼントをしようか、と言ったら、『黙っておきなさい』と言われた」と顔をほころばすKくん。その日の卓で俺が400分の1ほどふんだくったのは、当然といえば当然の成り行きだった。 |
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