東京は朝からシトシト雨。梅雨入りだなぁということで先月読んだ本。 元村有希子著「科学のミカタ」。毎日新聞科学環境部長の新著。この人、ノーベル賞の田中耕一さんがメロメロになったことでも有名。文章も上手。父親のがんによる死亡をきっかけに検査を受けたら自分も直腸がんであることが判明。その顛末が読ませる。更科功著「絶滅の人類史」。最近この手の本に手が出るようになった。人類の歴史はちょっと奇跡的。 軽部謙介著「官僚たちのアベノミクス」。政権が長く続くと役人がトップの方ばかり気にするようになるのはいかがなものか。三浦しをん著「風が強く吹いている」。しをんさんの最高傑作は「舟を編む」と思っていたが、こっちの方が上か。箱根駅伝を目指す大学駅伝ランナーの群像を描いている。ぐいぐい引き込まれた。加藤秀俊著「社会学」。手軽な新書なのだが、奥は深い。俺も一応、社会学徒なのだ。 北川悦吏子著「半分、青い」。朝ドラ「半分、青い」のおかげで寝坊せずにバイトに出かけられている。敬意を表して購入。この文庫に書いてある通りのセリフをテレビでしゃべっているのが不思議な感じがする。巻は8月上旬発売とか。野末敏明著「パロディ108句」。芭蕉、蕪村、一茶の有名な俳句を基にパロディ句を作ると……。10打数1安打かな。井坂清著「紳士と淑女のジョーク前週」。こちらは20打数1安打。気の利いたジョークって難しいのだ。 「竹内政明の『編集手帳』傑作選」。読売新聞1面コラムを16年間書いた竹内氏。脳梗塞で昨年筆を折ったがそのエッセンスを集めた。故あって彼のコラムを年代別に収録した32冊の新書を全部読んだが、1面コラムは掲載のその時に読むのが正しいのだろう。しかし、うまいもんだ。上杉忍著「アメリカ黒人の歴史」。俺の恩師の著書のタイトルを付けるとはとむっと来たが、5月24日につぶやいたように理由が判明した。 佐藤優著「十五の夏」。外務省主任分析官だったギョロメの佐藤は浦和高校に合格したご褒美に15歳の夏、東欧、ソ連を約40日間一人で旅した。その旅の記録。恐ろしいほどの記憶力。若き日に外国を旅することがどれほど大事かが分かる本。日本の公安警察の恐ろしさも書かれている。今月はこれがベストかな。 |
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