サッカーのワールド杯で、西野朗監督(63)率いる日本が格上のコロンビアを2−1で破ったことから、「てのひら返し」という言葉が流行っているのだとか。実際、俺なんぞ日本が勝った瞬間のテレビの視聴率が50%を超していたというのに、勝てるわけないと卓を囲んでいたのだから。 西野ジャパンじゃ勝てないと言っていたのんが急に「大迫半端ないって」などと称えるようになるのを「てのひら返し」というのだとか。まぁ「勝てば官軍」とは昔からよく言ったもんだ。 ハリルホジッチ前監督の下、ワールド杯の予選を突破したものの、日本の入ったH組は世界ランキング8位のポーランドを筆頭に、16位のコロンビア、27位のセネガルの強豪国揃い。冷静に考えれば61位の日本はまず決勝リーグには行けまいと考えるのも無理はない。それがコロンビア戦開始早々、香川のシュートを手で止めた相手選手が一発退場。何があるか分からないのがスポーツだ。 選手とのコミュニケーションが取れていないことを理由にハリルホジッチ(ユーゴ)を解任したのが4月。日本サッカー協会技術強化委員長だった西野は貧乏くじを引かされたとの論評があったが、杉山、釜本の時代からサッカーを見ている俺なんか、この交代劇はよかったのではと考えているのだ。なにしろ俺の高校には50年前には珍しい芝生のサッカー場があり、岡野俊一郎コーチのものすごいシュートを目の前で見たこともあるのだ。 ずっと日本人が務めていた代表監督だが、92年からオフト(オランダ)、ファルカン(ブラジル)の外国人監督が就任。95年に加茂周に戻り、97年のワールド杯予選中に解任されコーチの岡田武史が昇格し、ワールド杯初出場。しかし、98年にはまた外国人を招聘し、トルシエ(仏)、ジーコ(ブラジル)、オシム(ユーゴ)が務める。08年から2年間は岡田が復帰するが、10年からはザッケローニ(伊)、アギーレ(メキシコ)、ハリルホジッチ(ユーゴ)が代表監督。そのたびに戦術が変わる。 Jリーグができて四半世紀もたつのだから、岡ちゃん以外にも監督が務まる奴がいたのではないか。日本代表監督を外国人に委ねるというのはいかがなものかと思うね。西野監督で決勝トーナメントに行ければいいが、たとえそうでなくても、コミュニケーションを取るのが上手そうな西野にしばらく代表監督をやらせて、日本人の後継者を育てられたらいいのにと思う。 しょせん個の力では世界にはとてもかなわぬ日本のサッカーなんだから、組織力を重視するなら、言葉の通じぬ奴に監督をやらせることはない。50年前に五輪で銅メダルを取った原動力、クラマーコーチへの崇拝が大きすぎるのかなぁ。 |
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