土曜日炎天下の栃木で行われた芝刈りはスタートが8時と早かったため、車で送ってもらって宇都宮駅に着いたのは午後3時だった。すぐ帰るのは新幹線代がもったいない。で、コインロッカーにバッグを預け、駅から西方の市中心部まで路線バスに乗った。 まず尋ねたのはよく寄っていた大きな文具店である。ゴルフで着替えている間に日曜日の生物学の予習に欠かせない赤いサインペンを紛失した。俺は黒は「ぼーるぺんてるB100ペン先0.6_」、赤は三菱の「uniリブ」のサインペンと決めている。書ければ何だっていいようなもんだが、滑りや持った時の感じが微妙に違う。 校閲のアルバイトでも赤のサインペンを使用しているが、官給品のそれは違う銘柄なので、自分で調達しているのだ。ちなみにゼムクリップも普通の鉄製のは触るのもイヤで、自宅からカラークリップを仕事場に持ち込んでいる。 リブを胸ポケットに差し、まず4年間世話になったお花屋さんをのぞいた。店の女の子は俺の名前を覚えていて「暑いですねぇ」と言うので「『キスできる餃子』は見た?こちらの看板が大きく映っていたよ」と返すと「まだなんです。まだやってますよね」。 そこから毎日立ち寄っていたおいしい珈琲屋さんへ。ママの愚痴を1時間ほど聞き、「フライデー」の袋とじページをゴルフのスコアカードを使ってきれいに開けた。メニューがしっかりした冊子になっていて、以前のようにメニューでは開けられなかったのである。 次はホームグラウンドの最高級居酒屋である。久々に「イッテキ!」を注文した。カシスウーロン・カシス1滴の略である。それに麻婆豆腐。熱いけどうまい。夏向けの新メニューの中から、たまねぎのマリネ・ブルーベリーソースかけ。店の外の手作りのメニューの看板が新しくなっていた。一滴のあとは「レモンサワー」をたのんだが、芝刈りでくたびれていたので、この2杯で酔っぱらってしまった。 酔い覚ましに『キスできる餃子』の冒頭に登場したカフェに顔を出したら、旧知のママが「いいところに来た。これから昭和歌謡のイベント。聴いていって」。DJが次から次にかけるレコードに合わせ、歌っていたらようやく酔いが醒めた。映画には栃木らしくないカフェということでロケ先に選ばれたのだとか。でも常連ならわかるよな。 駅では名物の「かりまん」の甘夏味、甚五郎煎餅に生物学の教科書を買った。宇都宮での芝刈りでゲットした賞金、オリンピックの稼ぎはすべて餃子の都で消費したのである。 × × × × × 今週の拙宅の花は「モンド」というピンクのバラと「コーラルハート」というオレンジのバラ、それに白いクルクマと紅い「カリプソ」というランです。 |
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