始めてサザンオールスターズの歌を聞いたのは黒柳徹子と久米宏が司会をしていたTBSの歌番組「ザ・ベストテン」だった。確か1978年だから、福島にいた頃だ。新進歌手を紹介する「スポットライト」というコーナーにライブ会場からの生中継で出ていた。歌は「勝手にシンドバット」。桑田佳祐の♪胸騒ぎの腰つき♪のフリにいったいこりゃ何なんだと思いつつ、巻き舌のような歌声が妙に記憶に残った。翌79年には「いとしのエリー」の大ヒット。これは俺の持ち歌となった。 昨夜NHKで夜10時20分から「クローズアップサザン祝40周年」という特集番組をやっていた。桑田らサザンの5人のインタビューを交えながら「東京VICTRY」「涙の海で抱かれたい」ことし作った「壮年ジャンプ」「……エリー」「……シンドバット」など十数曲をスタジオに招いた800人を前に熱唱した。 俺は”エリー”のあとサザンの曲を覚えることはなかったが、”涙の海”に出てくる♪キスより甘く 永遠より永い♪とか、突然出てくる横文字とか、桑田くんの言語感覚はすごいと思った。メンバーの誰だったかが、桑田を評して「枯れない泉」「至宝」と話していたが、40年間老いも若きも引きつけてしまうのだから、大したものだ。 折しも、台風13号の接近でテレビ画面の上の部分には「風呂の水は落とさないで」「ケイタイには充電を」「懐中電灯は枕元に」というテロップが流れ続けていた。テロップの下で1曲歌い終わるたびに「ありがとー!」を発する桑田くん。なかなか似合っていた。 がんで活動休止したとは思えないエネルギッシュな桑田くん。奥方の原由子が「60過ぎたおばさんが、まだバンドやってます」と話していたが、還暦過ぎたってみんなを気分よくさせることは十分可能なのであった。 |
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