隠居志願のつぶやき2017

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...... 2018年08月22日 の日記 ......
■ 撮影者の署名   [ NO. 2018082202-1 ]
 竹橋の新聞社で2004年から1年間、小学生新聞の編集長をやったが、この時の一番の善政は契約スタッフの原稿に署名を入れたことだと思う。すでに本紙の原稿には記者の署名が入っていた。当時の小学生新聞編集部で正社員は編集長の俺と何でもこなせるママ記者だけ。あとのライター4人とレイアウター6人は薄給の契約スタッフで、全員女性。モラルアップには「私が書いた記事」と親に示せる署名が一番と思ったのだ。
 同期の前任者に「なんで署名入りにしないの?」と聞いたら「記者の人数が少ないのがバレちゃうから」の答え。アホか!署名導入は幸い好評だったので、見開きページのレイアウト担当者の名前も新聞に載せることにした。今ではスポーツ紙が1面のレイアウターの名前を入れているみたい。自分の名前が入る記事、レイアウトに手を抜く奴はいないのだ。
 月曜日、芝刈りから自宅に帰ると、ポストにミニうちわの格好をしたハガキが入っていた。差出人は京王線明大前の某大でやっていた文章教室の教え子で大型美人の絵里ちゃんだった。5年前に巨人軍の新聞社に入り、長野支局に配属され、御嶽山の噴火とか平昌冬季五輪で金メダルを取った小平選手の取材で活躍したが、「ペンでは世界に通じる仕事ができない」と写真部を志望し、この春から東京本社でカメラウーマンをしている。
 しばらく音沙汰がないなと思っていたら、花火の絵柄のうちわはがきには「連絡が遅くなりすいません。写真部は慣れないことばかり。これから甲子園に行きます。テレビに映ったら、元気だと思ってください」とあった。
 で、きのうのY紙運動面を見たら準決勝で済美を抑えた大阪桐蔭のエース、柿木くんの大きな写真のキャプションの最後に「撮影○○絵里」とあった。きょうの2面、大阪桐蔭のキャプテン、中川くんを取り上げたひと欄でも撮影者に彼女の名前があった。最近、新聞各社は写真の撮影者の氏名を明記するようになったのだ。
 教え子の活躍につい頬が緩んだ。カメラはペンと違って対象に肉薄しなければならず、重い機材をしょって現場に行かなければならない。絵里ちゃんは山形の小学校時代、相撲で横綱を張ったこともある体力派だから、どこに行っても大丈夫だろう。隠居志願にはマスコミ業界に進んだ十人近い教え子の活躍が何よりの薬なのである。

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