隠居志願のつぶやき2017

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...... 2018年09月05日 の日記 ......
■ 誕生日メシ   [ NO. 2018090501-1 ]
 30代の終わりにちょっと体調を崩し、2カ月ほど会社に行けなかった。復帰するまで3カ月ほど足慣らしに通ったのが当時の最強百貨店、伊勢丹の記者室だ。旧知のT広報部長が「ウチに通っておいで」と誘ってくれた。机と電話があり、そこから知り合いと連絡を取り、メシを食い雑談で癒した。
 その時、約30人の部下(ほとんどが女性)を抱えるT部長が毎月お誕生会を開き、その月に誕生日を迎えた部下をジュースとお菓子でお祝いし、ポケットマネーでその人にふさわしい文庫本をプレゼントしているのを見た。組織の中では埋没しがちな個人だが、忘れられてはいない存在というのを実感できる誕生会だった。
 で、俺も役付きになったら、この美風を取り入れようと思った。いつかもつぶやいたが、小学生新聞の編集部で正社員は編集長の俺と何でも書けるママ記者だけ。あとは十数人の女性契約スタッフだった。最初に編集部に行った時はスタッフの氏素性はまったく分からなかった。で、人事部の中国語学習仲間から履歴書を取り寄せ、全員の誕生日をチェックした。
 各人のバースデーの2日前に「あさっての昼は空けておいてね」とお願いし、ママ記者も交えて3人で焼肉定食よりはちょっといいものを食った。俺は酒が弱いから一緒にいっぱいという付き合いはほとんどしてこなかったが、”サシメシ”は続けてきたのである。この会食で「どこの”馬の骨”」というような見方は消えたと思う。ビンボー編集部に交際費などないから、もちろんポケットマネーだ。
 今は、業務アシスタントという名のバイト風情だから、高給取りの正社員たちと交流を深める必要はないが、昨年バイトに入った時からパソコンの使い方などを一番教えてもらった美人アシスタントには時折、昼飯をご馳走しバースデーを聞き出した。その誕生日がおととい。先週「昼に豪華飯に行こう」と声をかけたら「誕生日はお休みをいただくんです」。
 で、本日昼42階の見晴らしの良いレストランで2日遅れのお祝いをした。美女はいつもお弁当を持ってきてビルの端っこのフリースペースで一人でメシを食べている。ステーキ定食にしたが、「お肉がおいしい!」とのことであった。「まだ、いらしてから1年ちょっとですか。ずっといらっしゃる感じ」だと。俺、そんなにエラソーにはしていないんだが……。

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