台風で関空が水浸しになったと思ったら、地震による停電で千歳がアウト。シンゾーくんがアカンからではないか。ということで8月に読んだ本。 司馬遼太郎著「翔ぶが如く七、八、九、十」。明治維新の時は西郷隆盛はあんなにすごかったのに、西南戦争では桐野利秋とかの言うがままで、みこしに乗せられていたのは何故か。自分が思い描いた維新にはならず、西郷が死に場所を求めていた、もしくは頭を打っておかしくなっていたという説がある。どっちも正しい感じがする。 北川悦吏子著「半分、青い。」。あとひと月弱の朝ドラ。好き放題の展開だが、それでも大いに楽しませてもらっている。今、テレビに他にロクなドラマがないもんな(民放は原則として観ないので)。岩佐義樹著「ミスがなくなるすごい文章術」。校閲のバイトをするうえで、こけおどし用に仕事場に置き、ちょびちょび読んだ。読んだからと言って文章がうまくなるわけではない。 嵐山光三郎・磯田道史著「影の日本史にせまる」。西行と芭蕉を取り上げ、二人が諸国を巡ったのはスパイだったからと。それはともかく二人の歌、句はやはりなかなかである。弁野義己著「大便革命」。腸内を整えることが人間にとってどれほど大切かを力説している。腸内細菌の研究50年の著者は名前で得しているなぁ。 塩田武士著「歪んだ波紋」。グリコ森永事件を扱った「罪の声」で世に知られるようになった塩田氏が誤報をテーマに5つの連作をものした。新聞記者出身でネット上の誤報も扱っている。そういう時代になったのだと考えさせられた。 見城徹著「読書という荒野」。角川書店の役員から独立して幻冬舎を起こした見城氏。そこまでやるかという仕事人間で好きなタイプではないが、本屋に行くと平積みの表紙の見城氏の写真が獰猛な顔でにらんでいるため、読んでしまうことにした。俺と同世代。こういう仕事熱中型の人間はもう出てこないのではないか。たとえば、五木寛之に本を書いてもらうため、発行から五日以内に感想を記した手紙を出し続けたエピソードなど、ちょっとたまんないなと思う。
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