文化の日に大学卒業45周年の同期会が開かれ、俺のいたフランス語の17クラスからの出席は少なく、隣の16クラスとブービー争いをしていることは7月につぶやいた。7月段階で40人中4人しか見込めなかった出席者は、その後50%増の6人となり、どうやら5人の16クラスを上回りそうだ。 それはいいのだが、ここへきてとんでもない仕事をおおせつかった。同窓会当日、参加者に配る資料(A3の1枚紙、裏表を使って式次第、校歌とか出席者リストを載せる)の作成を同期会実行委事務局幹部のKくんから「新聞記者だったお前が適任とみんな言っている」と依頼されたのだ。 あのねー、記者って書くのが仕事で、ちらしの編集は関係ないんだけどなぁ。しかし応援部時代から知っているKくんにはいろいろ世話になっている。で「誰かがやらなきゃなんないから、やるけど、俺、パソコン編集能力ってあんまりないよ」と返答した。するとKくんはしめたとばかり、配布資料は17クラス幹事の俺がつくることになったと、幹事会に触れを回してしまった。 5年に1回開かれる大学同期会は、18あったクラスからそれぞれ幹事が出るほか、学年から選出される3人の代議員が裏で細かいことを決めている。Kくんは実行委員会事務局の仕切り役で、これまで3回行われた幹事会の進行役なのだ。 式次第、出席者リスト、校歌、実行委員長挨拶などのデータは俺のところに集まることになっている。これをA3の裏表にうまいこと散らせばいいのだが、やってもいいよと返答した裏には、強力な援軍が我が家にいることが頭にあったのだ。 いま西国のマンションに同居している長女は、割とパソコン作業に強く、かつて勤めていた小学校の記念事業の際に、10ページ近い冊子を一人で編集したことがあるのだ。で、「配布資料作りを手伝って」と言ったら、知らないうちに母校の講堂の写真をどこからか見つけてきて、ベリーグッドな表紙見本を早速制作してくれた。俺は表紙の隣が式次第と実行委員長挨拶、裏が出席者名簿と歌詞――と指示するだけでこじゃれた配布資料ができそうなのだ。 俺がこだわったのは西暦で日時を表記すること。だってこれまで年賀状など私的な文書では昭和、平成は一度も使ったことがないんだもん。この配布資料の雛形は19日の最終の幹事会で示すことになっているが、「平成にしろ」てな意見が出るようなら、ちゃぶ台返ししてやるからな。 |
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