昨夜は古巣、竹橋の新聞社の経済部の旧友会に出てきた。会場は新聞社の入っているビル9階の高級レストラン。年金生活者に8000両の会費は痛いが、ライフワークの人間観察にはかっこうのフィールドだ。 18時開会だが、校閲バイトが新橋で18時まであるので、35分遅刻。社長あいさつもOB代表のあいさつも終わっていた。入口でOB一言集のプリントをもらう。100人くらいの近況コメントが載っていて、出席者はそのうち25人くらい。 まず6コ下のM社長と立ち話。新聞業界は部数減、広告減の荒波にさらされており、危機打開策を誰も思いつかない状況にある。「大変だね。でも信頼できる記事は新聞社しか発信できないんだよ」と声を掛けた。Mくんはいい奴なんだけど、あんまり元気がなかったなぁ。メディアセクション時代、アルバイトに来ていた奥方を知っている社長秘書役とも名刺交換。あいつ、いい背広を着ていたなぁ。 それから8000両を取り返すべく、窓際のカレーやフライの皿に飛びついたが、ロクなものはほとんど残っていなかった。かつて経済部は人間音痴の主流派と反発心の強い反主流派の対立が目立っていたが、こういう会に人間音痴は出てこないし、そんなコップの中の嵐は読者にとってはどうでもよいことだ。 4月に部長になったSくんが@東京に取材陣を集中させるようにし、部員が2人増えたA人事の抜きで編集局長賞を2つも取った――と元気のいい挨拶をすると、関係ビル会社の役員に天下ってしる7コ下のKくんが「抜いた奴の名前も紹介しろ!」俺なんかはまだ顔を知っている奴だが、80前後のおじいちゃんには誰のことやら分からなかったろうなぁ。 編集局長が3年目になる12コ下のMくんに「よくやってるなぁ。経済部はかつて編集局次長ポストを9年間取れなかった。それが人材確保に大きなマイナスだった。能力のある記者がいないとロクな記事が書けない。人がすべてだ」と持論を開陳した。 会の終わりごろになって現役の記者が数人現れたので、年寄りは放っておいて、「君の記事はよく紙面で見るな。前線にいるうちが華。デスク、兵隊のなれのはてと言うではないか」とあおり、バイト風情では使う機会が全くない名刺を配った。 肩書きの”隠居志願”については「隠居したくてもできないの意だ」と強調した。「きみたちは若いから知らないだろうけど、年金は偶数月の15日に出るんだよ」と言ったら、13年目という女性記者が「じゃぁ、今ならたかれますね」。反応のいい若い記者と話すのは楽しいね。
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