隠居志願のつぶやき2017

[PREV] [NEXT]
...... 2018年11月13日 の日記 ......
■ 「もうレシピ本はいらない」   [ NO. 2018111301-1 ]

 きのう出かけた府中病院ではかなり待たされることを覚悟していた。月曜日は新聞休刊日。診察を待つ間に何を読んで時間をつぶしたらいいのか。小説は不向きである。そこで持参したのが稲垣えみ子著「もうレシピ本はいらない」である。
 大学の学部の後輩である稲垣さんは朝日新聞の社会部で鳴らし、50歳を超えたところで退社。彼女の「魂の退社」はなかなかの本である。一度見たら忘れないアフロヘアのお姉さんだ。
 東日本大震災で節電が叫ばれた際、それならと家電製品とおさらばする生活を選び、ガスレンジも冷蔵庫もないシンプルシングルライフを楽しんでいる。メシを鍋で炊いて、昼間ベランダで干しておいた野菜を味噌汁の具にして、出汁は取らず味噌を溶き入れて作る味噌汁をおいしくいただく一汁一菜生活を、この「もうレシピ本はいらない」にまとめた。この本、今年の第5回「料理レシピ本大賞料理部門エッセイ賞」を受賞している。
 彼女の潔い暮らしぶりにかねてから注目していた(俺にはとてもマネはできないが)ので、通院の友にしたのだ。稲垣さんは文章も上手でテンポもよく、どこでストップしてもいいので、検査で待たされる病院では最適だった。
 大朝日を退職して、時折、原稿を書くだけの暮らしだが、一汁一菜のメシだと、1食200円程度で済み、食費はほとんどかからないとか。読んでいて「ちとタンパク質が足りないのでは」「俺なら肉が食いたい」と思ったが、そういうモノは食べ飽きたのだろう。かつては最新の流行ファッションを追い、グルメの店のチェックを怠らなかった稲垣さんなのだ。
 前の晩50ページほど読んでいたので、待っている間に全270ページを軽く読了。これに影響されたか、病院の帰りに安売りチェーンの「オーケー」に行き、きんぴらごぼうのお惣菜と卵サラダを求め、昼はサトウのご飯とタニタの味噌汁で済ませた。夜は夜で吉右衛門の「鬼平」に見入り、外に出るのも面倒と残っていたモチを見つけオーブンで焼いてバターを挟み海苔を巻いて砂糖醤油にまぶして2つほど食った。先週から毎週水曜日夜はウチで長女と夕飯を食うことにしたため、先日吉祥寺で求めてきた鯛みそと上物の鮪の角煮の佃煮が強い味方になったのである。

...... トラックバックURL ......
  クリップボードにコピー

...... 返信を書く ......
[コメントを書く]
タイトル:
お名前:
メール:
URL:
文字色:
コメント :
削除用PW:
投稿キー: